「怖さへの挑戦」

                                              渡辺莉卯

突然だが私は道産子にも関わらず、昔から氷道というのがかなり苦手である。

小学生の頃、私に住んでいた地域では同じ地区の児童数名で集団登校するのが決まりになっていた。私のいた地区でも1年生から6年生まで10数名で待ち合わせをしてから、毎日登校していた。

私が小学校1年生の時、冷え込んだ風が頬を突き刺すような冬の朝のことだった。
いつもように皆でぞろぞろと登校していたのだが、ある場所で私はまったく動けなくなってしまった。実は私達の住む地区は坂の上にある。学校に行くにはまずこの長い坂道を下りなければいけなかったのだが、この日は前日からの寒気の影響でその道がツルツルに凍っていたのだ。

幼い私は、生まれて初めて見る1歩でも踏み出すだけで滑り落ちていきそうな長い氷道を前に、恐怖ですっかり足が竦んでしまった。そうこうしている内に周りはどんどん先に進んでいき、置いていかれる不安もあって半泣き状態だった。それでも情けないことに一向に足が前に出ないのである。

結局最後までどうしても1人で歩けず、優しい上級生に手をひかれながらゆっくりゆっくり下りていった。それ以来、私は氷道がすっかり怖くなってしまったのだ。

つい先月、数名の生徒と一緒にスケート実習に参加してきた。
氷上を歩くのが怖い私にとって、なんと十数年ぶりのスケートリンクだ。怖さを抱えつつ、それでも生徒と手をつなぎながら一緒に滑り、ヨロヨロしながらも最後まで楽しむことができた。それでもまだまだ上達までには程遠い感じである。

怖いことや苦手のことは誰にでもあると思う。怖さへの挑戦はいつだって大変だが、それでも自分のペースでくりかえし取り組んでいくことでいつか怖さに打ち勝ち、できた!という自信に繋げていきたいと今でも強く思う。

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