宿泊学習の裏側

高村さとみ

 2泊3日の宿泊学習が終了しました。今回の行き先は倶知安と小樽。どんな内容だったかは生徒の様子と共にアップしています。こちらではスタッフ側の準備という、宿泊学習の裏側について。
 フリースクールでは毎年、修学旅行もしくは宿泊学習を行っています。行き先はスタッフの意見も伝えつつ話し合いで決まるので、スタッフ側はそんなつもりは全くなかったのに、「どうしても道外に行きたい」という生徒がプランや費用を調べてきてフェリー宿泊で仙台に行った、なんてこともありました。ここ数年は授業料の減額をしていることもあり、家庭の負担にならない範囲でのプランにシフトしています。
 さて、今回はまずスタッフから、2年前・4年前にも利用した倶知安の冒険家族というところで自然体験、特に鶏を捌くことをメインにした宿泊学習にしたい、ということを提案しました。最初の反応はやや微妙で、もちろんそれを楽しみにする生徒もいましたが、虫や自然が多いところでの宿泊にハードルを感じている生徒もいるなぁという印象でした。そんな中で「みんなで小樽に行きたい」「自主研修やものづくりをしたい」という意見があり、最終的にはおうちの方の意見も含んだアンケートにより、倶知安に一泊・小樽に一泊するというプランになったのでした。
 冒険家族での薪割りや火おこし、山菜・きのこ採り、鶏を捌く体験は実際に体験していろいろなことを感じてくれれば...という思いでしたが、小樽は何か仕掛けなければと悩みました。生徒たちの小樽の自主研修は、お寿司を食べてガラス工芸をしてお土産を買って...というイメージで、ここに何かを「学ぶ」要素を持たせたいと思ったのでした。そこで、スタッフは夏休みに入ってすぐに小樽へ。小樽市総合博物館本館と運河館の二カ所を下見しました。小樽の歴史を学んでから自主研修に入るというイメージでいたのですが、本館は鉄道に特化した博物館になっており、運河館も見学しただけでは歴史を学び取ることは難しそうでした。困ったなぁ...とその日は帰路につき、次に助けを求めたのは「生活教育研究会」という学校の先生たちの学習会です。小樽での宿泊学習があること、小樽の歴史を学べるような仕掛けをしたいことを伝えると、小樽に詳しい小学校の先生がフィールドワークをしてくださることになりました。他にもフィールドワークに興味をもった先生たち数名と一緒に2回目の小樽へ。小樽運河沿いや南小樽を歩き、今回の宿泊学習の下地となる知識を教えてもらいました。
 こうして、2グループに分かれて運河沿いや旧手宮線、南小樽の古い建物を歩きながら、こちらのお題の答えを探してくる「小樽街歩き」の時間が完成したのでした。事後学習ではみんなで調べてきたことを出し合い、スタッフの解説も入れて小樽の歴史の全体像を捉えました。おもしろかったのが、グループで「手宮線は北海道で何番目にできたんだろう?ブツブツ...」と歩いていたところ、近くにいたおじいちゃんが「北海道では一番目で、日本でも三番目で...」と教えてくれたそうです。「他にもこんなことを教えてもらった!」と、そのおじいちゃんの話でひとしきり盛り上がりました。
 小樽街歩き直後には「いっぱい歩いて疲れた」という声もありましたが、事後学習では「街歩き楽しかったなー」という声が聞けて一安心。普段、何の気なしに遊びに行っている街にこんな歴史がある、と再発見をする(私も今回知ったことがたくさんありました)仕掛けができたなぁと、こちらもうれしくお疲れビールをいただきました。

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