2016 年 12 月 のアーカイブ

2016 年 12 月 26 日

終業日

3学年担任  田房絢子

先週22日に無事、終業日を迎えました。体調不良に悩まされていた生徒も復活して一安心。幸いにもインフルエンザに倒れてしまう子が誰ひとりいない2016年の終わりです。

でも終業日を迎えたと言うことは、3年生は冬休み明けの試験ウィークを最後に家庭学習期間に入ります。補習があるかどうかはひとまず置いておいたにせよ、クラスとしてみんなで顔を合わせるのは片手で収まることになってしまいました。12月に入ってからカウントダウンの暦を作り、日ごとめくったページも残りわずか。一枚めくるごとに心に空いたぽっかり穴がどんどん広がっていくようです。

2016年は「とにかく忙しい」という言葉で覆い尽くされていました。校務はもちろんいつだって忙しいのですが、そうではない所でひとり忙しくしていました。気持ちがずーっとずーっと、とってもとっても落ち着かないのです。いや、正しく言えば気持ちが穏やかなのに落ち着かないといった所でしょうか。これは3年生を担任した日から始まっていました。担任が決まった日から、一緒にいられる喜びと、そして卒業を見送るだろうその日の悲しみが始まりました。

卒業しても1人ひとりには会えるけど、みんなには会えません。

これは最初からわかっていたことなので、覚悟はしています。

でもきっと想像以上に私にダメージを与えることになりそうで、ちょっと怖くもあります。

でも、みんなの新しい出発の2017年なら、私にとっても再出発です。

どれだけ悲しい思いをしたとしても、それを越えるような発見や喜びもあるでしょう。

そうやって年を重ねて、見送って、一つ一つ積み重ねていくのでしょう。

年末のこんな天気だから感傷的な気分になっているのかもしれませんね。

あーあ、卒業式後の教室が今から憂鬱です・・・。

ある生徒が言っていました。「田房さんは大丈夫大丈夫って言い過ぎだよ~。大丈夫じゃないから!」

「大丈夫」これは12年前に初めて担任を持ったときからの、私の座右の銘なのです。

そんな今こそ自分に言い聞かせます。「大丈夫。きっと大丈夫だから。」

2016 年 12 月 20 日

引越ウラ話

高村さとみ

 この年の瀬に引っ越しをしました。
 4月から住んでいた築60年の木造一軒家がオーナーが変わったことで取り壊されることに。マンションで日が遮られ、とっても寒い(本当に!)我が家でしたが、気に入っているところもたくさんありました。二人暮らしには十分な広さであること、昔ながらのつくり、備え付けの収納がたくさんあること、そしてたまに鳥や猫が遊びに来る庭。春には桜と梅を楽しめました。夏には野菜をいろいろ植えて、梅の実で梅ジャムや梅酒をつくることができました。日照不足で野菜の収穫は少なかったけれど、来年はどんな工夫をしようかと楽しみにしていました。
 8か月しか住んでいませんが、いざ引っ越しとなると何ともさみしい気持ちになるものです。家に足を踏み入れることがもうできない、それどころか家自体がなくなってしまうなんて。けれども水道凍結や雪かきの心配もあり、結果的には年内に引っ越しできてよかったです。先日の大雪で屋根雪が落ち、玄関へ行くための通路がふさがってしまったそう。一方、越してきたのは鉄筋コンクリートのマンションです。あまりにあたたかくて、木造一軒家のとの差に驚いています。ストーブをつけた状態の前の家より、ストーブを消している今の家の方があたたかいと思います。ベランダが南向きなので、今度はベランダ菜園に挑戦したいです。
 住めば都の言葉通り、今の家は今の家で快適に過ごしています。前の家は収納が多かった分家具をあまり持っていないので、2×4材で服かけラックや棚をつくったりもして、それはそれで楽しいです。時間の余裕があれば色塗りもしたかった。余談ですが、せっかく悩んで選んだカーテンが窓に合わなくて使えないなんて、何ともったいないことでしょう!8か月しか使ってないのに新たに購入するなんて意地でもしたくない!と、布用のりを駆使して現在の窓サイズに直しているところです。
 何のオチもありませんが、今年は最後の最後までこうしてバタバタしています。来年はもっとゆっくりのんびり過ごしたいなあ。

2016 年 12 月 9 日

教育機会確保法が成立しました

                           亀貝 一義

一般にいう「教育機会確保法」が昨日参議院で可決され、成立しました。二月間の期間を経て施行されます。
この法律は、おおよそ次の内容をもっています。

① 教育基本法と児童の権利条約の趣旨にのっとり... 。教育機会確保の施策を総合的に推進することを目的とする(1条)。
② 基本理念として、すべての児童生徒のために、学校環境の確保、不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援、学校環境の整備、普通教育を十分に受けていない者の意思を十分に尊重し国籍等の事情にかかわりなく能力に応じて、そして国と自治体はこの種の活動を行う民間の団体その他関係者の相互の密接な連携の下に行われること、をあげる(3条)。
③ 国と自治体は教育機会確保のために協力しつつ当該地域に応じた施策を策定し実施する責務を負う(5条)。また、国と自治体はこの施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるように努めると(6条)。

④ 文科大臣は教育機会確保の関する施策を総合的に推進するための「基本指針」を定めなければならない。(その4つの事項)。これを行う時に、あらかじめ自治体やこの活動を行う民間の団体その他関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずる(7条)。
⑤ 国と自治体は不登校児童生徒の教育機会確保のために学校への取り組み、関係者間での情報を共有しなければならない(9条)。
⑥ 国と自治体は、不登校の児童生徒のために特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の整備とその教育充実のために必要な措置を講ずるように努める(10条)。
⑦ 国と自治体は、学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性を考慮し、不登校の子どもの休養の必要性を踏まえ、状況に応じた学習活動が行われるように、子どもや保護者に対して必要な支援を講ずる(13条)。(夜間中学校については略)
⑧ 政府は、教育機会確保等のために必要な経済的支援のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。
⑨ この法律施行後3年以内に、この法律施行の状況について検討を加え、必要な措置を講ずる(附則)。

国と地方公共団体は、不登校の子どもの教育機会を確保するためにフリースクールなどと協議して具体的な施策を進めなければならない、とあります。

問題はこれからです。道や市がこの法律の趣旨にもとづいて、不登校の子どもの気持ちや感情を重んじながら、必要な支援のあり方を、フリースクールなどと協議して、どう進めるように仕向けるか。まず、自治体の受けとめる担当窓口がどうなるか、誠実に対応できる担当者であるか、などを注目していかなければならないと思います。

衆議院の採決にあたって、付帯決議が満場一致行われています。この決議はこの施策と理念をより的確にしめしていることを重視したい。法律施行の基本のよりどころになる理念です。

2016 年 12 月 6 日

こころの味

三和高校 桑名八重

三和高校には「北海道科」という授業がある。生徒たちはこう言うと「え、なにそれ」と思うかもしれないが、授業名は「郷土の歴史」「郷土の文化」「郷土の産業」である。
各高校で学校の特徴に合わせて自由に設定できる「学校設定科目」のひとつである。

私は今年も「郷土の歴史」と「郷土の産業」を受け持っている。
じつはかなり内容には苦労している・・・。あんまりそう思われてないけど・・・。

なんせ、教科書が無いのでいつも「ど~しよ~」と唸りながら授業の準備である。

けっこう自分の好きなことを中心に授業をしているが、

生徒たちに北海道のこと、自分の住んでいる場所に興味を持って欲しい、「いいとこだよね」って再認識して欲しいというのが授業をする際の気持ち。

さて、毎年3年生のこの時期には映画を見て感想を書いてもらう。(これもレポート)
最後にいつも書いてもらう質問がある。

「あなたの記憶にのこる料理はなんですか」

おふくろの味、家族のエピソードにまつわる味、初めて作った料理の味・・・
それぞれが一生懸命書いてくれる。

なんとなく親との会話がなくて、ぎくしゃくする年頃の生徒たちも料理について書く中で家族への気持ちを素直に書いている。幼い頃の思い出や感謝の気持ち、様々な気持ちが溢れている。
食卓の大切さをつくづく感じる。

私にとって「こころに残る料理はなんだろう・・・」いつも生徒の文章を読みながら思い返す。

最近は「娘に思い出の味っていえるモノを伝えられるだろうか」と考える。自分に課した大きな課題だ。

今年もまた、このレポートを出す時期です。
今年はどんな思い出が出てくるのか楽しみです。

2016 年 12 月 5 日

救われる言葉

三和高校 渡辺莉卯

今年も早いもので12月に入った。
札幌では日によって雪が降ったり止んだりと忙しなくなってはきたが、窓から見る限りではまだ深く積もった様子はない。しかし、そろそろ本格的な冬の寒さに備えて準備をしていかなくてはいけないな、と思う今日このごろである。
進学や就職とこの時期は3年生にとっても忙しなく、本校でも進路が決まった生徒がちらほらと出てきた。数ヶ月後には皆それぞれ別の場所にいるのだと思うと、一緒にいられる残りの時間の少なさに驚いてしまう。

私は大学4年生のちょうどこの時期、卒論や就職などでいっぱいいっぱいで、先が見えない不安で押しつぶされそうになっていた。こういうことをしたいという憧れの気持ちを持っていても、それに伴う力がないのも自覚していて、それじゃあ今の自分には一体どこで何ができるのだろうと、自分の居場所を探しているような感覚だった。周りの友達がどんどん前に進んでいく中で、たった一人取り残されていくような気持ちだったのだと思う。

そんな時に、父の昔からの友人で、私も幼い頃からお世話になっている方が話してくれた内容が、今でもとても印象に残っている。

『自分の少し先を生きている先達の中に、仮に自分がしたい職業ではないとしても「あの人いいな」と感じる人がいたら、少しでも近くに行き、少しでも長い時間を一緒に過ごしてみるといいと思います。(中略)印象に残った大人たちは、自分の内側で内在化して、いつもその人と一緒に生きてゆくことになります。で、その人たちは、たとえばなにかめげてしまいそうなとき、自分をじっと見つめてくれます。眼差しが内在化されるというか。自分が「いい」と感じる大人との出会いを、大切にして下さい。』

そうか、と素直に思った。
周りを見れば親や先生や、これまで出会った様々な人達とのつながりがある。そのつながりを大切にしながら、色々な職業の人達の考え方や働き方、生き方を知って、自分のやれることや居場所をまた探していこうと思った。

今は12月上旬、まだ考える時間はたくさんある。
生徒にも今まで出会った人とのつながり、そしてこの先それぞれの道に進んだとしても、新しい場所で出会う人とのつながりはずっと大切にして欲しいなと思う。何かにいきづまった時は特に、色々な人の言葉を聞くことで、時にその言葉に救われることもあると強く感じるからである。