2017 年 11 月 のアーカイブ

2017 年 11 月 29 日

救命講習の成果

三和高校  本間香菜  

 救命講習とは、応急手当の知識と技術に関する講習です。この講習では、緊急時に消防車が到着するまでの間に、私たち一般の通りすがりの人間でもできる処置の方法を学びます。私たちの学校でもこれまで、全日コースのスクーリングのプログラムや月1コースの体験実習として、和寒支署の消防士さんにお願いしてこの講習を行ってきました。私も生徒と一緒に講習を受け、実技の練習を行ったり、生徒が実習を受けている様子を見たり聞いたり、何回かの講習を経験しました。
 とはいえ、普段の生活で緊急事態に遭遇することはなく、その経験が役に立つ日がくるとは思ってもいませんでした。が、その成果が試される日は突然やってきました。

 ある夜、少し遅めの時間に札幌からJRで自宅へ向かいました。私は窓側の席に座り、音楽を聴きながら遠くを見つめていました。半分無意識だったその時、急に右斜め後ろから前方に人影が飛び込んできたのと同時に大きな物音が・・・!!
 軽快なリズムが流れているイヤホンの音を遥かに上回った「どーん」という音が車両内に響きました。あまりに突然の大きな音にびっくりした私は「わぁーあ!!」と声を発しながらその場に立ち上がってしまうほど。

 立ったままの私の隣には、たまたま居合わせた見ず知らずの乗客が席に座り、その横の通路には女性が倒れている様子。同じ車両にいた乗客達も、ただならぬ事態に動揺していました。が、通路に倒れる人影を見つけ徐々に近づいていきます。さらに恐る恐る「大丈夫ですか。」の声。しかし、その人物からはなんの返答もなく、微動だにしません。

 ここで、私の頭の中には普通救命講習での光景が駆け巡りました。最初にやることは意識の確認。肩をたたき、大きな声で「大丈夫ですか?」の声かけです。しかし、その女性の周りには数人が集まり、私の隣の席には座っている人、すぐ近くにいるのに近づけません。

周りの人の困惑する様子を見て、焦って勢いで声を出した私。

少し遠い位置から立ったまま「大丈夫ですかー?」 

声に出すと同時に、心の中では「なんかすごください...。ちょっと遠すぎる...。」
と、自分で自分につっこみをいれていました。

 その後は、ただただ周囲があたふたしている間に、女性は自分で目を覚まし、何事もなかったかのように、自力で空いていた席に座るという予想外の展開。緊迫した状況からのあっけない収束に乗り合わせた乗客もモヤモヤした雰囲気の車両内。様子を見ていると、彼女はちょっとだけ酔い過ぎてしまったようです。(お酒の力って怖いですね)

 今回私は、講習で習ったことを全力で発揮する事は出来ず、もっと自信を持って前に出て行くべきだったのかな...と後から考えました。
 日々の生活でも「こうしたら良かったな」と思うことがたくさんありますが、これも次へのSTEP。今回のこの恥ずかしい体験?も、次にこのような事態に遭遇した時には、スムーズに応急処置をするための心の準備。そう思わせてくれた珍事件体験でした。

2017 年 11 月 22 日

「どうぞ、お座りください」

札幌自由が丘学園 亀貝一義

私はこの10年間ほど、三和高校がスタートして以来、JRを利用して通勤している。はるか半世紀以上も昔のことだが、高校通学も同じだった。そのころは「JR」でなく「国鉄」だったが、言い方は「汽車通」だった(和寒-士別間)。その時はすべて蒸気機関車が列車を引っ張っていた。

今、学園都市線を利用する。この線は、よく「故障」する。ちょっと雪が降った、風が強かった、地震だ、などが理由だが。他の線はどうなのか、よく分からないが...。

それはともかくとして、私の乗降する駅は、札幌駅から2つめで、乗っている時間もたかだか10分足らずだ。だから混んでいるときはデッキで立つことが多い。「どうぞ詰めてください」という放送がよくあるので、車内に詰めて乗ることもあるが、自分ではあまり車内に入りたくない。なぜかと言えば、私のような高齢者が立っていると、しばしば「どうぞお座りください」と席を譲ってくれる人が少なくないからだ。その席を譲られることがイヤだというのは少々ヘンだと思うかも知れないが、この大いなる「善意」は、逆に「オレはそれほど年寄りに見られているのか」という気持ちになるからだ。だから旭川とか和寒にいくためにJRに乗って混んでいて立っている時などにはこの善意はありがたいと思うのだが、そういう2時間以上のJRに乗る機会はほとんどない。また乗ったとしても座席指定だ。

だから多少の高齢者がいたからといってすぐ「どうぞお座りください」と言わない方がいいのだ、と言えば、それもちょっと違う。じゃあ何を言いたいの?と聞かれると、「さあ、私は何を言いたいのだろう」と自問自答して迷う。

高齢者だけでない。障害を持っている人、妊娠中の女性、子どもをおんぶしたり抱っこしている人、その他病気かなと思われる人などで、立っている人がいると、軽く「どうぞお座りください」と一旦は言って、「有り難うございます」と座る人ならそれでいいし、「いえ、すぐ降りますから」という人であれば、「あ、そうですか」とそのままでいいのだ、と言うようなことなのかな。

2017 年 11 月 16 日

「不登校」、14年ぶり13万人超え

札幌自由が丘学園 亀貝一義

これは「不登校新聞」11月15日付けの記事の見出しである。文科省発表の速報値を報道した。

不登校の小中学生の合計数が13万人を超えた、これは2002年度以来で14年ぶり、4回目という。

134,398人だった。全生徒に占める割合は3.01%で、3パーセントを超えたのは過去最高である。

これまで不登校を文科省の把握としては「問題行動」に位置づけられていたが、昨年不登校は「問題行動」ではなく、「生徒指導上の諸問題」に位置づけられるべきという認識になった。

問題行動ではない、いろいろある生徒指導の課題の一つだ、というのだが、こういう位置づけの変更は、不登校関連のテーマを「深刻に」ではなく、例えば欠席数が異常に多くなっている子ども、と言うように理解していこう、ということなのだろうか。この理解・認識の変更は、不登校への教育行政対応でどういう変更をもたらすことになるのだろうか。

他に「いじめ」の認知件数も32万4000件近い。前年度比で約10万件増加した。過去最高だ。更に子どもの自殺も244人と、これは平成元年以降最多となった。自殺に関係して、多かった状況は、家庭不和、進路問題で、いじめ問題が10人だったという。

学校教育に関連する諸課題は実に多様で、どう私たちが対応していくのか、その具体的な方策をこれからしっかりと考えていきたい。ここ20数年間の実績と教訓に当たりものを一つ一つ再確認していけば、どこにもまして積極的で建設的な提案ができるに違いないのだ。