日本に合っている4月入学
札幌自由が丘学園三和高等学校校長 亀貝一義
19日の本紙朝刊の記事「9月入学 検討加速」によると、新型コロナウイルスの感染拡大による休校の長期化を受け、入学や始業の時期をずらす「9月入学」検討の動きが加速しているという。秋入学が主流の欧米などに合わせることで、留学などの面で好都合になるということらしい。
私は新学期はやはり4月がいいと思う。日本では明治19年(1886年)、会計年度が4月始まりになったことから、学校年度も次第に4月1日開始となった。花が咲き新しい季節とともに子どもたちも新しい世界へと旅立つのである。「4月入学」は日本人の暮らしと季節感にごく自然に溶け込んでいる。
9月入学制としたら、日本では「年」、「会計年度」、「学校年度」の始まりが、異なることになる。「年度」は各国で独自の制度をとっているというのだから、日本で100年以上も続いてきた4月入学制を、あえて他の国に合わせなければならない理由などない。
※ 2020年5月26日の北海道新聞の「読者の声」に載った文章です。