2009 年 12 月 のアーカイブ

2009 年 12 月 25 日

あわてんぼうのサンタさん

                                                      田房 絢子

今日はクリスマス。街中が様々な空気で溢れる。幸せな空気、寂しげな空気、楽しそうな空気、切ない空気、イライラの空気、普段の空気・・・

そもそも、クリスマスイベントはなぜこんなにも日本人の気持ちを掴むんだろう。どうやったって、黄色人種の日本男児はあの太っちょのサンタクロースのような容姿にはなれないし、まっしろなお髭もあんなに立派には生えてこない。いかにもって感じで変装したって、やっぱり天然白髪パーマの天然白ひげふさふさの、「ふぉっふぉっふぉっ」って笑うあのおじいさんにはなれっこない。日本はトナカイよりも鹿だし。

外国人にも関わらず(いや、外国かぶれだからか?)、長年ずっーと日本人の心の支えになってきたおじいさん。いい年なんだけど、あわてんぼう。煙突のぞいて落っこちちゃったら、それこそ大惨事なんだけど。でも、それだからいいのかな。コミカルで、人間くさい。まぁ、空を飛ぶんだから人間じゃないのかな。いや、あのトナカイが摩訶不思議なのか。いや、ソリなのか。

なんだか悲しいことが多い今日この頃だけど、そんなふうに無条件に元気づけてくれる存在はとても大切だと思います。だからこそ愛され続けているんだと。小さな子どもたちが目を輝かせて、「サンタさんが来てくれるっ!」って喜んでいる姿を見ると、やっぱり幸せな気分になります。子どもはたくさん夢や希望を持ちます。その姿を見て、大人もまた明るい気持ちでいっぱいになります。そしてその姿を見て、また子どもは育っていくのだと思います。

あわてんぼうのサンタさん。私のところにも来てくれるかな?

2009 年 12 月 14 日

父母茶話会で学習

12日(土)、高校の父母有志の茶話会の一環として「発達障害を考える」テーマの学習会を行いました。講師として招いたのは札幌学院大学の二通諭准教授。3時間近い勉強会でした。

二通先生から発達障害のいろいろな傾向が指摘され、対応の方法や今日の教育と学校の状況なども問題提起されました。父母たちから自分の体験や札幌自由が丘学園での子どもの成長ぶりが語られました。
予想をはるかに超える20数名の参加で、呼びかけた世話役の人たちは感激の面持ちでした。また開催したいの声もしきり。

2009 年 12 月 11 日

札幌の冬の夜に考える

椎名結実

昨日は空気の澄んだ、冷え込んだ夜でした。夜、空を見上げると、星が今までになく強く光っていました。修学旅行で見た与論島の星空とはまた違って、北国の澄んだ星空からは自然の厳しさが伝わってきます。

札幌駅前を歩いていたら、路上生活をしているおじさんが、椅子に座ってもぞもぞと動いていました。一生懸命ズボンを重ね着しようとしているのだと思いました。でももう一度見たら、そのおじさんはセーターを足にはいて、できるだけ上にあげようと動いていたのです。

寒くて、手持ちの服をすべて、じわりと冷えてくる足につけようとしていたのだと思います。それを考えたらどうにも通り過ぎることができませんでした。

北海道のホームレス生活者の特徴は、次のようなことだと言われています。北海道出身者が多いこと(特に旧産炭地です)。年間を通して札幌にいること。就労意欲が全国に比べて高いことです。少なくとも毎年200人以上が支援団体や福祉政策によってアパートに住むようになっているのに、いつも変わらず 100人以上の路上生活者がいます。

札幌でも、毎年、凍死者が出ています。
路上生活をしている人たちは、すぐ「あきらめ」ます。生活を変えること、充実した人生を送ること、あたたかい家で眠ること…。

「あきらめないで頑張ればいい」と私たちは簡単に思いそうになります。でも、人間にとって「頑張る」ということが、経済的に孤立するだけでなく、人間関係からも孤立したときどれだけ難しいものなのか。それを私はまだ知りません。

本当の「自立」ってなんでしょう?おじさんたちにかかわると、私はいつも自問自答のループのなかに入っていくのです。

2009 年 12 月 7 日

学園祭終わる

インフル感染が広がったために一旦は中止された学園祭(SJGフェスタ2009)を6日に実施した。かなり「短縮した」内容になったのだが、今までにないほどの来場者だった。父母はもちろん祖父母や生徒の友人たち、卒業生など。
また「お客さん」としてではなくたくさんの父母が「参加」した。手づくりのカレーその他のメニューを用意したり…。卒業生の父母もかかわってくれた。
実行委員会の生徒も女生徒が多かったが成功にむけての取り組みなど実に一生懸命だった。多くの人たちの感動と喜びを生み出した今年の学園祭だった。

2009 年 12 月 4 日

いよいよSJGフェスタ2009!

延期になっていた学園祭も、いよいよです。生徒たちはステージに、展示に、模擬店に、と準備におおはりきりです。たくさんの方がたのご来場を期待しています。

10:40 開祭式(りんゆうホール)
     各店PR,ビンゴ大会
11:30 アトラクション
12:00 模擬店(父母の店、生徒の店)
13:50 ステージ発表(ゴジラワンマンショー、FSリトルスターズ、ダンス、バンド、マルバツクイズ、その他)
15:05 閉祭式

2009 年 12 月 3 日

このステージは「ブル部の証」

新藤理 

定期演奏会が終わった。

演奏会のことを思い出そうとすると、それまでの練習と準備の日々が連なって思い出される。そして、定期演奏会への本格的な取り組みの始まりは9月の円山合宿だった、と記憶がよみがえってくる。
合宿の夜、ブラスアンサンブル部のメンバーみんなで就寝前のミーティングを行った。「ブル部に入って自分のどこが変わったのか」「今年のブル部に何を想うか」、そんなことを全員が時間をかけて語ってくれた。まだまだ終わりは見えていないのに、なんだかみんなとてもしみじみしていた。あくまで人生のうちの通過点のひとつに過ぎない部活の時間だけど、そこには家族のような親密さと安らぎがあって、私ですらずっとこんな時間が続いていくんじゃないかと錯覚しそうなくらいだ。でも、この日々には必ずそれぞれの終わりがある。だからこそ輝く時間なんだということも、部員たちはよくわかっている。

最後の定期演奏会を終えた高校3年生が泣いている。これまで何度も見てきた彼らの悔し涙は、それはそれでとても美しいものだった。でも、今日の涙は感動の涙、そして寂しさの涙。そのまぶしさは言葉にはできない。
たった90分のステージの中で、それを成り立たせるための長い日々の中で、部員たちは本当によくがんばった。悔いの残るステージには絶対にしたくない…彼らのそんな思いがいつでも強烈に伝わってきて、私はそれに支えられながら指導を続けてきた。練習量も多くはないし、技術的にもまだまだ。でも、彼らはそんな自分たちの音楽を愛し、もっともっと育てたいと願っている。私にはそれが、自分たちの存在そのものへの思いに重なっているように見えた。彼らにとって、このブル部の演奏は、そしてこのステージは、自分たちの証なのだ。

演奏会を終えて、一緒に音楽をやっている友人からメールをいただいた。
「みんな楽しそうに、そして一生懸命演奏していて、
 しばらく音楽から離れている人は再度楽器がやりたくなるような、
 そして現在楽器に携わっている人は楽器を演奏してて楽しくて楽しくてしょうがなかったあの頃を思い出す、とっても良い演奏会でした。
 聴きに行ってよかったです」

音楽には、思いがけないほど多くの人に共有されて広がっていく独特の力がある。
ブル部のみんな。みんなの小さな演奏会は、自分たちで思っている以上に大きかったのかもしれないよ。

そしてブル部はしばしのお休みに入る…こともなく、今度は北海道女子学生会館のクリスマスパーティーへの出張演奏に向けて新曲を練習し始めている。楽しいクリスマスソングにみんなの目が輝いている。
音楽を愛する人がいるかぎり音楽は続いていく。これじゃ疲れているヒマがないね!