2012 年 6 月 のアーカイブ

2012 年 6 月 27 日

かわいいベイビー

フリースクールスタッフ 新藤理

 ちょっとした用事があって、実家から幼少期のアルバムを借りてきた。久々に見る、生まれたばかりの自分。3歳ごろの自分。  …かわいい。びっくりした。気持ち悪いことを言っているのは承知だが、でも本当にかわいい。自分びいきだけではない。これはきっと万人が認めるかわいさだと思う。  そこからページを先へ進める。小学校入学、そして10歳ごろの自分まで…だが、今度は逆の意味でびっくりする。かわい…くない! なんだか、どんな場所でどんなことをしていても、まるで楽しそうに見えないのだ。かといって、何かを訴えるような思いつめた感じがあるわけでもない。ただただどんよりとした表情でこちらを見ている少年。小学3年生ごろから急激に太っていったことの影響もあるだろうけど、それだけではないはずだ。太っていたってかわいい子どもはたくさんいる。そういえば、その頃からだんだん学校での生活が大変になっていったことを思い出した。

 さて、今。自由が丘で多くの子どもたちに接していると、その表情の多彩さに驚く。楽しく過ごしているときのみんなの顔には、同じ部屋にいるだけでこちらも元気になってしまうくらいのまぶしさがある。でも、彼らの日々はそれだけではない。みんなよく落ち込むし、時に泣く。中学生でも高校生でも、泣くときは盛大に泣く。共通しているのは、自分の中身をどんどん外に出していることだ。だから周りにもお互いの考えていることがすぐにわかる。それが元でトラブルになることもあるけど、それぞれ何を考えているのかわからない中で過ごすよりはだいぶいいんじゃないだろうか。
 くもった表情のシンドウオサムが生きることへの喜びを本格的に取り戻したのは、高校生になってからだった。自由が丘に集まるみんなには、できればそこまで時間を空けずとも、かわいい笑顔でいられる日々を迎えてほしい。       

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

ということで、特別大公開・「ちいさなおさむちゃん」の写真はこちら ↓

 

2012 年 6 月 18 日

節電 ≒ 省エネ ≒ エコ

学園長 杉野建史

 記憶に新しい3.11の東日本大震災後、原発事故もあり「節電」なる言葉があらゆる情報媒体に表現され続けている。クールビズ、スーパークールビズ、ウルトラクールビズと勤務時に着る服も節電対策花盛りである。

日本には「もったいない」という言葉がある。この意味に共感した海外の人が、その人の国で「もったいない」を広めて、ものを大切に使うことを呼びかけている。その運動は確実に広まりつつあると新聞で報告されていた。ものを大切に長く使い続ければ、人の消費活動は鈍り経済に大きく影響するだろう。消費と生産、需要と供給は経済の根幹をなす事象である。経済と密接につながっていると言うことは私たちの生活そのものだと言える。ちなみに、私の腕時計は約20年使い続けている。途中でかなり大きな修理が必要だったが…。

我が家はテレビをLED仕様のものにしている。また、以前電球を使っていたところをLEDに換えた。どのくらい節電されているかはまだよくわからないが、以前より電気代がかからなくなったような気がする。私は三和高校職員のAさんとは違って,全く家電製品に興味がない。電化製品は全般的に「使えればよい」という姿勢だ。しかし、この頃の電化製品はそれ自体が「節電」仕様になっていて、環境に優しい。この夏に訪れるであろう「電力不足」に一役かうだろう。しかし、今までの生活様式をそのままにしておいて節電は非常に難しい。今までと違った我慢は必要だろうし、今まで可能だったことが不可能になっても我慢することは仕方ない。

節電、省エネ、エコはこれまでの生活様式を大幅に改善することが大前提であるし、場合によってはこれまでの生活様式の一部をやめなければならいこともあるだろう。「自分だけやっても仕方ない」などと考えないで、自分でもできる節電やエコを始めることが大切である。約10年前から自転車通勤していることもエコに役立っている!

単純ではないことは十分に承知しているが、少なくとも日本の経済の仕組みを根底から変えていく時期なのだと思う。経済を深く研究している人たちから画期的な構造改革案が出ることを切望する。

2012 年 6 月 5 日

札幌市のフリースクール支援策

                 NPO法人 フリースクール札幌自由が丘学園 理事長 亀貝 一義

     札幌市の上田文雄市長は、昨年の地方選挙のときのマニフェスト「うえだの約束」に、子どもの笑顔があふれる街」づくりの政策の中に「不登校の子ども支援」をかかげ、フリースクール支援策をあらたに創設することをうたった。このマニフェストに沿って、子ども未来局が直接担当して、先月「札幌市フリースクール等民間施設事業費補助要綱」を発表した。

この骨子は、公益法人であること、2年以上の実績をもち学校との連携・協力関係が構築されていること、複数の児童生徒を受けいれていること、等の基準のもと、8名以下の場合は年間160万円、9名以上であれば200万円を上限とした補助を行う、ということである。この補助の対象は、新規にスタッフを増やした場合、施設をあらたに増設したり借り上げたりする場合と、カウンセラー配置や教材・教具の整備などである。新規スタッフに対しては、日額6,000円の210日分(126万円)、施設を追加したりした場合は月額50,000円の12か月分(60万円)ということである。

5月31日、この要綱の説明会があった。参加したフリースクールは本学園を含め、札幌と江別あわせて7施設だった。

補助要綱がFSネットワークに示されたときに(2月末)、私は未来局に対して「この基準に沿って政策の恩恵を受けることのできるフリースクールなどほとんどないのでは」「『新規・追加』の基準を外して欲しい」ことを要求した。この時に示された基準の一つに「フリースクールスタッフは教員免許をもっていること」というのがあったが、これについても現実的ではないと言ったが、この意見は受けいれられて「要綱」では消えていた。

5月31日の説明会では、いくつかのフリースクールから厳しい指摘があった。札幌市の補助基準の見直しを求めるものだった。

私は、施行される予定の「補助要綱」の基準で、札幌自由が丘学園は該当するのではないか、と思うのだが、上に記したように、他のフリースクールの多くが適用されずらいことは否めないことから、今後の札幌市との協議の中で、せっかくのフリースクール支援策をもっと現実的に手直しすることを求めていきたい。

札幌市のフリースクール支援策のベースは福岡県のものであるが、市町村レベルでは札幌市がいわば「嚆矢(さきがけ)」である。私は、この意味を評価しながら更なる改善を希望していきたい。
                        
                          (北海道フリースクール等ネットワーク代表)