2012 年 12 月 のアーカイブ

2012 年 12 月 28 日

「早いもので…」

学園長 杉野建史

 

今年が始まるとき、「2012年は大きなイベントが控えていたり、新しい仲間が東京にできたり、忙しくなるぞ」と頭の中をいろいろな思いが巡っていた。あっという間に366日が過ぎようとしている。あっという間に過ぎなかった年は、この数年記憶がない。

来年は、フリースクール札幌自由が丘学園が20周年を迎える。私がこの仕事にかかわり17年が経ちその間に学園は大きく変化した。この数年での一番の変化は正式な高等学校を開校したことである。その高校の仲間に東京シューレが加わった。フリースクールとしては大先輩の東京シューレと教育提携を結び、ともに高校教育を推進していくことができるようになった2012年は高校開校以来の大きな節目になった。新しい仲間を職員として迎えることができた年でもある。

早いもので2012年があと少しで幕を下ろす。本当にあっという間に1年が終わってしまう。時間は何もしなくても過ぎてゆくし、何かに熱中してもあっという間に過ぎてゆく。時間の概念は実に不思議で、「直線的に無限に続くもの」や「始まりと終わりがある有限で線分的なもの」などがある。皆が同じ時間の中で生活しているのだろうけれど、人によって感じ方は大きく違うのだろうなと思う。1日86400秒、2012年31,622,400秒。人に「目をつぶり1分経ったと思ったら教えてください」という実験をしても、それぞれの人で実に様々な60秒の結果が出る。時間の感覚はその人の生きる歩幅なのか。

12月としては異常とも言える寒い札幌。せめて心だけでもあたたかくなる写真(今年の修学旅行で体験ダイビングをしている2年生の男子生徒と、それ以上に楽しんだスタッフのH氏)を皆さんに披露して、少々早いが2012年の締めくくりとする。

2012 年 12 月 19 日

「総合」

桑名八重

先日、「総合」の時間に生徒たちに履歴書を書いてもらった。

はじめて履歴書を書いた人もいたので、考えながら書いていた。
用紙とにらめっこしながら唸っていたひとりが聞いてきた。

「趣味って何書けばいいの? 先生の趣味って何?」

はて、私の趣味?

普段から好きなことをしているから「あまりこれが趣味です!!」と、
胸を張って自慢できること・・・はあまりない・・・。
しかし、「好き」でやっていることはいくつもある。

胸を張って答えました。
「えーとね、読書でしょ、ドライブでしょ、旅行でしょ、スキーでしょ、カヤックでしょ、音楽演奏・・・」

「ずいぶん、あるんですね~」
半分呆れたようにつぶやかれた。・・・そんなに多いほうではないと思うが・・・

「当り前でしょ、みんなより長く生きてんだから、楽しみ多いに決まってるしょ」
「・・・そうか、趣味ってそんなもんか」

趣味って、
自分の生活を豊かにするもの。
無理せず、長く続けられるもの。
なにより、自分が楽しいもの。
だと思う。

今、「自分の趣味ってなんだろう」って考えてる生徒たちも
本当はもう趣味って言えるものがあるはずだ。
ただ、それが趣味かどうかまだ気が付いていないだけだろう。

履歴書を通じて、自分を客観的に眺めている。
用紙とにらめっこしているクラスを見渡してそう思った。

自分も就活中は、何十枚も履歴書を書いた。
自己PRとか特技とか、職務経歴書とか・・・。
もう、はじめは嫌で嫌でたまらなかった(情けない自分ばかりが思い浮かぶから・・・)が、
今思うと、自分のことを改めて考える時間だったと思う。

生徒たちにも今の自分ともっと向き合ってほしい。
そんなことを強く思った午後の時間でした。

ちなみに、「特技」で悩む生徒には「資格じゃない、自分はこれ自慢です!を書いてみよう」とアドバイス。

2012 年 12 月 14 日

ある10月のSMS

田房絢子

10月のある夜、一通のSMSが届いた。「元気ですか?どうか番号が変わっていませんように!」聞くと、インターネットで偶然私の名前が掲載されている自由が丘のHPを見つけて連絡をくれたとのこと。SMSを通してだったけど、15年振りくらいの再会だった。今は北見にいるので、札幌に帰ったときに会おうと約束して終了。本当に会えるかな?どんな風に変わっているかな?なんて、15年経った友人を想像しながら愉快な夜が更けていった。

 11月のある日、忘れ去られた約束にはならず、ついに再会の日が訪れた。集まるのは5人。ほとんどのメンバーがもう15年近く会っていない。中には高校卒業から会っていない人もいたので、16年経ってる!意を決して向かうと・・・そこには全然変わっていないみんながいた。「学ラン着たら、昔のままだよ(笑)」とか、外見は大きくなったけど中身はぜんぜん変わっていないとか。おなかの底から笑えて、なんだかタイムスリップしたみたいだった。でも、もう子どもがいるとか、去年若い奥さんと結婚したとか、今は支店長だとか…。時間は過ぎてそれぞれに大切なものができて、でもまたそれをつかの間の時間でも共有できたことが、本当にすてきなことだと思った。そして、昔みたいにずっと一緒にいることはできないけど、ものすごーい時々しか会えないけど、自分の人生を共有できる仲間がいてくれることに感謝したい。当時はそんなに近い関係でなかった仲間とも、こうやって大人になった今だから築き上げられる関係にも。この間来た卒業生も言っていた。「卒業してからの方が、なんか仲いいよね(笑)」未来の私たちに、今の生活はずーっとつながっている。出会った人みんなが、きっと将来の私を作ってくれるのだ。今は全く気がつかないことだって、今の私の生活の中にきっとたくさん潜んでいる。そしてまたきっとすてきなことが将来起こるはず…!!

ふっと思い立ってSMSをくれた友人に、心から感謝。…電話番号変えてなくて本当に良かった(笑)!

 

2012 年 12 月 11 日

同窓会

高村さとみ

 

今年の年末、中学の同窓会がある。

中学の…といっても、当時父の転勤が多かった私は中学3年生の後期半年間しか在籍しなかった学校だ。みんな私のことを覚えていないんじゃないだろうか、というか私も名前を思い出せない人がいるんじゃないだろうか、と色々とネガティブに考える気持ちもあったのだが、それでも半年間しかいなかった私に声をかけてくれたことがうれしくて、参加することにした。せっかくなら当時なかなか学校に馴染めなかった私が今、教育に携わっていることを先生に伝えたいと思う。

さて、フリースクールの生徒たちはよくこんなことを言う。「大人になったらみんなで同窓会をしようね。」「20歳になったらスタッフと一緒にお酒を飲みに行こう。」と。

気が早いな~、と思っていたがよく考えたら中学3年生の子が今の私の年になるまで10年。20歳になるまで5年。あれ、あっというまだ!

私は中学3年生の時、5年後の自分も10年後の自分も想像できなかった。同窓会なんて自分に関係ないものだと思っていた。

フリースクールの生徒たちが5年後、10年後に希望を持っていること、今の仲間を大切に思っていることを本当にうれしく思う。

年を越えるとあっというまに旅立ちがやってくる。卒業生をだすのはさみしい気持ちもあるが、5年後・10年後の再会を信じて。あと4か月足らずの年度を生徒たちと一緒に精いっぱい走り抜けたい。