さまざまな疑問にお答えします!

よくいただくご質問についてまとめました。

学費に関して受けられるサポートはありますか?

札幌自由が丘学園三和高等学校は正規の高校ですので、高等学校等就学支援金が支給されます(※支給額はご家庭の収入により変わります)。また、公益財団法人北海道高等学校奨学会から、審査の上で奨学金の貸与を受けられます(※要返還ですが無利子です)。さらに、ご家庭の状況によっては公的機関との連携も図っています。

札幌自由が丘学園三和高等学校が開校されたのは2009年だったとのことですが、フリースクールとはどういう関係ですか?

フリースクールはスタート以来、たくさんの高校年齢の若者が在籍していました。当初の10年間はむしろこの年齢層の方が多かったです。中学生も多くいました。その高校年齢の子どもや中卒者が、私たちと直接関係のない高校に進学することが「心残り」でした。そこで、「自前の高校」をつくろうと取り組みを始めたのが、2002年からの「高等部」です。これはS通信制高校に在籍しながら、札幌自由が丘学園で学ぶという道で、S高校との教育連携を数年間すすめました。そこでは、実質的に自由が丘の生徒でありながら、他校の生徒として送り出さなければならないという新たな「心残り」が生まれました。なんとか形式的にも実質的にも我が校の生徒として送り出す道はないだろうかと真剣に探しました。そこで、私たちが心を込めて生徒たちと接し、指導し、共に学び合った結果を実らせるための道が、独立した通信制高校の開校でした。和寒町(この町は校長・亀貝の出身地)は内閣府に対して、構造改革特区制による「地域活性化計画」の認定を求めました。数か月の折衝の結果、2008年7月1日、時の内閣総理大臣福田康夫氏によって「自然の恵み和寒町教育特区」が認定され、ここに正式に「札幌自由が丘学園三和高等学校」がスタートすることになりました。最初の入学式は2009年4月26日でした。この通信制単位制の高校は、まさにフリースクールの取り組みをベースとして、その10年以上の実践の結果と教訓をもとにして実現したものです。この2つの運営主体は、それぞれ異なり、フリースクールはNPO法人が、高校は(株)札幌自由が丘教育センターが運営しています。

札幌自由が丘学園三和高等学校に通う生徒たちについて教えてください。

三和高校は通信制・単位制の高校です。フリースクールで自分の居場所と学びの場を得た生徒たちは、一般的な中学生と同じく自分に合った高等学校を求めます。だから、小・中学生の時に、不登校生と言われた生徒や、一般の高校に進学したけれど、「厳しい競争や人間関係の中で落ち着いて過ごすことができない」と中退した生徒も多くいます。また、小規模少人数の落ち着いた環境で学びたい、人間的な関係を持ちたいという思いをもった生徒たちが通っています。

「通信制高校」は、家でレポートを書いて単位を取得する高校というイメージですが、実際はどういう仕組みですか?

通信制高校は、学校によって登校日が異なるコースを設置しています。在学学習を中心とするコースを選択した場合、自宅での自学・自習が中心となり、自力でレポートを完成させることになります。

【三和高校の場合】
「毎日登校するコース」と「月1回登校するコース」の2つを設置しています。
毎日登校するコースでは、レポートを授業中に取り組む場合が多いので、自宅でレポートに取り組む時間は非常に少なくなります。また、授業時間数も1日あたり3〜4時間を設けていますので、各教科の基礎学習にしっかりと取り組むことができます。授業時間数は少ないですが、全日制の高校のイメージを持っていただくとわかりやすいと思います。月1回登校するコースでは自宅でレポートに取り組むことが基本になります。このコースはこれまでの通信制高校のイメージそのままです。登校回数が少ない分、自宅でレポートをしっかり取り組む必要があります。

通信高校に在籍している生徒数は増える傾向にあると聞きましたが、実際はどうですか?

2006年度:全高校生が概数 350万人、通信制の生徒概数 18万2000人
2010年度:全高校生が概数 333万人、通信制の生徒概数 18万7000人
着実に通信制で学ぶ高校生が増えているのがわかります。高校生の約20人に1人は通信制高校生です。
この傾向がこれからもずっと続くかはわかりませんが、少なくとも減ることはないでしょう。全日制高校の教育課程における学習ペースに合う生徒は、週約30時間の授業時間で頑張ることが可能ですが、そのペースに合わない生徒が少なからずいることは事実です。その生徒たちが全日制高校へ入学した場合、中退や転校を余儀なくされてしまいます。「通信制は簡単に卒業できる」ということではなく、通信制高校の持つ教育課程の柔軟性を最大限に利用してカリキュラムを立てた場合、さまざまな生徒に対応できる授業数や授業内容を提供できるのです。「通信制は全日制高校の次に位置づけられる選択肢」という固定概念を捨ててもらいたいと私たちは考えています。今までの通信制高校は在宅学習が基本で、登校日に必要最低限の時数のみ授業を受けていましたが、現在は全日制の高校以上にいろいろな教育課程を設定でき、柔軟性を持った教育の仕組みを構築できるようになりました。多様な子どもたちに、多様な教育のあり方を提供できる学校の今日的な姿が、私たちの札幌自由が丘学園三和高等学校なのです。

通信制高校の中には「好きなことをやって高卒資格を」とアピールしているところもありますが、三和高校はこの点についてどう考えますか?

確かに「好きなことをやって高卒資格を」とうたっている通信制高校が非常に増えています。マスコミには「高校卒業資格をお金で売るだけ」と指摘されることもあります。高校進学率がほぼ100%の現在、高校での教育も準義務教育になっています。国の対策の「公立高等学校授業料無償化」や私学に対する「高等学校等就学支援金」がそのことを表しています。
では、高校では何が大切なのでしょう。1つ目は、基礎学力の再確認と定着であると考えます。卒業後に就職する生徒もいます。複雑な社会に出て行くためには「基礎学力」がとても大切です。その基礎学力を養うために教科学習をはじめとするさまざまな体験学習が重要です。そのことを軽視し、自分の好きなことで高校卒業としてしまうことに危機感を覚えます。高校時代は基礎学力をベースに進められるべきです。2つ目は、思考が柔らかい時期に多様な体験をすることが重要であると考えます。将来に向けて進路が考えるにあたり、多種多様な体験こそが判断材料になるからです。判断材料をより多く持ち、自分の夢や希望と適性を照らし合わせて熟考することが進路決定には不可欠です。また、私たちの学校では、多様な体験を通してさまざまな人との関わる機会をたくさん設けています。自分とは違ういろいろな考えや価値観にたくさん触れることができるのです。端的に言うと「食わず嫌いをしない」ということです。同世代の人や異なる世代の人との関わりから、「人間関係の構築」について、肌で感じて学んでいきます。

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