2022 年 9 月 22 日

宿泊学習in蘭越(2)ふしぎな山 「硫酸山」

宿泊学習、貝の館に続いて向かった目的地は「硫酸山」という山。
地図に載っている公式の山ではなく、蘭越在住の下島亘さん・綾子さんの私有地です。



ことの起こりは2004年。
下島さんが購入したこの山には、土が露出して植物が生えていない箇所が大きくありました。





(写真:下島亘さん)


自分の山になったら植物を植えて緑の山にしようと考えていた下島さんでしたが、
なんとその土は空気や水に触れることで硫酸を生成するという、超強酸性の土。
これでは植えても植えても植物は枯れるばかりです。
大昔の火山活動、そして近年の開発による土壌掘削がこの「硫酸山」を生み出したのでした。
 
しかし! 下島さんは簡単にあきらめません。
そもそも簡単にあきらめるわけにはいかないのです。下島さん一家の新居は硫酸山の目の前、むきだしの山は大雨で簡単に崩れてしまうのですから……。
 
そこからの奮闘については、下のリンクにある「硫酸山再生記」をぜひお読みください(無料で読めます)。
https://puboo.jp/book/81326
近隣の資源を最大限に生かし、多くの人の思いを集めてよみがえった硫酸山の話、ぜひ皆さんにも知っていただきたいです。
 



さて、そんな硫酸山に生徒たちとお邪魔したところ、さっそく下島さんお家の猫ちゃんがお出迎え。生徒たちは大喜びです。





内心「虫がいるところでは身体がすくむ生徒も少なくないかも……」と心配していたスタッフでしたが、なんのなんの。
猫ちゃんの癒しと下島さんご家族の頼もしいガイドのおかげで、すぐに安心して山と仲良くなれました。

その後は下島さんのディレクションで
・きれいな花を摘むチーム
・木の実やきのこを集めるチーム
・昆虫採集するチーム
に分かれて山内散策。

山歩きと言っても、いわゆる登山的な大変なものではなく、ゆるやかな坂をのんびりと寄り道しながら歩きました。
花もきのこも虫も(カエルやトカゲも)、たくさん見つかりましたよ!








そして最後は、これまで硫酸山に緑をもたらしてきた方々と同じように、植樹を体験しました。
掘れば掘るほど白い土。そこに豊かな黒土と苗を埋めて…。








さあ、大きくなるのは何年後かな?
いつかみんなで確かめに来たい、長くお付き合いしたい山でした。








(山の中ではお互い頭に花を飾り合ってキャッキャと喜ぶ遊びがはやっていました。みんなかわいらしいなあ)