「同期会」の喜びと悲しみと
亀貝一義
私たちの年代(70歳代)になると、よく同期会が行われる。私など「おまえはまだ現役で忙しいだろうから幹事はやらなくてもいいよ」と言われるから世話役の仕事はないが、集まりにはできるだけ参加することにしている。
小中高校、大学の同期会、さらに学生寮にいたこともあって、この同窓会も呼びかけられる。また自分の同期会同窓会だけでなく、札幌市内の私立高校に30年間勤めていたこともあって、その「クラス会」の案内もある。この高校は当時は女学校だったから「可愛い教え子」もいまは孫をもつ「おばあちゃん」だ。
同期会も同窓会もクラス会も、集まる人たちは皆ケッコーな年の人たちだ。「お互い年をとったね」から話が始まり、必ずと言っていいように「先に逝った友人たちを忍び、黙祷(もくとう)!」が始まりのマナーになる。
いずれ「自分も黙祷の対象になるのか」と心の中で思う。そして先に逝った○○君、◎◎さんを思いながら半世紀以上前のいくつかの小さい思い出が頭の中をよぎる。
学生寮で同室だったK君は、おだやかでまじめな顔をして女性の話を静かにしていた。一区切りついたところで「面白い話だった」との感想だった。1オクターブ鈍い私などいつも苦笑されていたと思っている。
テレビもないし、ラジオだって思うように聞く機会を持たなかった学生時代、読書と、寮内での談話が楽しみだったのかもしれない。そういう半世紀以上前を思い出させられる昨今である。
もう60歳を超えている昔の麗(うるわ)しい教え子たちは、今も高校時代の担任だった私が何を言って嘆いていたか、などを楽しそうに言う。しかし同じ教室で明るい笑顔で歩調を合わせていた○ちゃんは乳癌で死んだということをきくと悲しい。
先に逝った友だちや教え子たちの分もしっかり生きなければ、という気持ちも強くなる昨今...。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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