東近江市長の発言を受けて
フリースクール札幌自由が丘学園
職員 高村さとみ
先日、滋賀県の東近江市長が「不登校になる大半の責任は親に」、「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」といった発言をしたというニュースがありました。すでに多くの団体・個人の方が抗議の声をあげていますが、十数年不登校の子ども・保護者の声を聞いてきた者として、私からも改めて今回の発言に対し異議を唱えたいと思います。
フリースクールで働き始めて十数年、不登校のことで悩んでいる子ども・保護者にたくさん出会ってきました。「学校に行けない自分はダメなやつ」と自分を責める子、友人に不登校であることを隠している子、自分の子育てが悪かったのかと悔やんでいる親、子が苦しむ姿を見て胸が痛いと涙する親。こうした大きな葛藤や辛さを抱えた子ども・保護者のことを何も理解しようとしない今回の発言には憤りを禁じ得ません。東近江市長のこうした価値観こそ、不登校の子ども・保護者を苦しめてきたといえます。
東近江市長の言葉の端々からは、学校とは辛く、我慢をして行くもの、大人が強制してでも行くものという考えが表れています。私の考える教育とは、一人ひとりの子どもが人生を豊かに幸せに生きていくためのものです。子どもを苦しめる教育なんて、教育ではありません。これは日々、子どもたちのために豊かな実践をされている教職員の方々にとっても侮辱ととれる発言なのではないでしょうか。
今回の東近江市長の発言に傷ついている子ども・保護者がいるなら、私は大きな声で伝えたいです。不登校は誰にでも起こりうること、子どものせいでも親の責任でもありません。嫌がる子どもを引きずって学校に連れて行く必要なんてありません。子どもに大切なのは今を安心して楽しく過ごすこと。その環境があれば、子どもは自ずと自分の人生を豊かに歩むための力を身につけて行きます。もしも今辛い思いをしていて相談できる人がいないという方は、どうぞ札幌自由が丘学園にご相談ください。同じことの繰り返しになりますが、不登校は子どものせいでも親の責任でもありません。これははっきりと、声を大にして言えることです。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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