北海道の楽しい100人
高村さとみ
4月に「北海道の楽しい100人vol.2」というイベントで話す機会があった。このイベントは2か月に1度、北海道でおもしろい活動をしている4名のゲストが15分で自分について語るというもの。もう何度も聞きに行っていて、その度に自分の知らない仕事や活動の話に刺激を受けてきた。まさか自分が登壇するとは!という気持ち半分、参加するたびに「自分だったら何を語ろう?」と考えてもいた。だから声をかけてもらった時には、新しいことに挑戦する時の興奮と緊張感があった。
これまで保護者やフリースクール関係者の前で話をすることはあったが、このイベントに集まるのは異業種、異年齢の人々が150名以上。15分で語るにはかなり内容を厳選しなければいけない。基本的には自分を語る、なのだがせっかく大勢の人の前に立つのだから、伝えたいことを柱に据えて話そうと決めた。子どもがいる人もそうでない人もいる。不登校の子に関わったことのある人もそうでない人も。ひょっとしたら自分の子どもが不登校だという人も自分が不登校だったという人もいるかもしれない。さて何を話そうか―。
まずは不登校について共通認識を持ってもらうために、「もし自分の子どもがこんな状況になったら...」という話をした。朝、お腹が痛くなる。「明日は学校に行く」と言うけれどなかなか行けない。昼夜逆転の生活になるかもしれない。親の不安な気持ちを想像し、自分だったらどうするか?を考えてもらった。おそらく車で送って連れていくとかゲームを取り上げるとか、そんなことを考えたのではないかと思う。そして今度は子ども側の気持ちの話。学校に行く、は学校に行かなければいけないという気持ちなのかもしれない。学校のある時間帯に起きているのはつらい。子どもも罪悪感を持っているのだと。あとは自分がフリースクールで働くことになった経緯や出会った子どものことなどを話した。会場のすべての人に共通して伝えたいことというのはかなり悩んだのだが、「大人は楽しい、という姿を見せてほしい」と伝えた。今不登校である子もしんどいと思いながら学校に行っている子も、大人の自由さ、楽しさがせめて希望になると良いと思った。
かくいう私も日々の中で落ち込んだり、疲れたり、腹が立ったりすることは往々にしてある。しかし子どもと接する上で私自身が元気でいなければならないと思っている。元気になるための方法はまた別の機会に書くとして。今回の話が子どもをあたたかく見守る大人を増やす一助となれば良い。もちろんこうした活動を続けることが大切なのだが。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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