2009 年 8 月 19 日

父と私

田房絢子

先日、とある小料理屋で父の還暦のお祝いをした。姉は「赤いちゃんちゃんこ、用意した方がいいんじゃない?」と数日前から言っていたが、そんな慣習を父は絶対にいやがるだろうと思ったので、私は「絶対用意しなくていい。」と頑なに拒否した。案の定、父は店に常備されていた赤いちゃんちゃんこを頑なに拒み、孫に着せて写真を撮っていた。あはは、やっぱりね。

この時、姉妹プラス義兄で出資しあい、父に鞄をプレゼントした。某メーカーのショルダーバッグ。何をあげようかと姉と考えていたら、ピンとひらめいた。去年のある日、実家で「あれー、同じとこのキーホルダー持ってるよ。見て見て、これー。」と私が差し出した革製のキーホルダーに、父は「おぉ、お前もなかなかやるな。」とつぶやく。その台詞、そのまま返してあげよう、父よ。

カメラが好きなのも、腕時計が好きなのも、飽きっぽいけどこだわり屋なのも、なんとなく似ている。決してそれがイヤではないと思う最近。

ちなみに私は父似。父親似の娘は美人になるって世間では言われている気がするけど。

ま、これはいいっかぁ。