2010 年 5 月 18 日
うれしい日
田房 絢子
でかける後ろ姿を見送ったと思ったら、ひょこっと戻ってくるEくん。「おめでとう!」そういってまた出かけていった。「ありがとう!気をつけて行くんだよ~」と私は見送る。そろそろ終わりかなと思って帰りの支度をし始めたら、「明日は~みんなも知ってると思うけどぉ~」とうちのクラスのYちゃんがみんなの前に立っている。全学年揃っての体育。その中で突然のサプライズ。みんなでちょっとずつお金を出しあって、私へのバースディケーキを買ってきてくれたそうだ。一度にそんなたくさんのみんなにおめでとうの拍手をもらった事なんてなかったから、なんだかとっても特別な気持ちになった。
1年生のYちゃんは私にそっと小さな紙袋をくれた。その中には朝作ったばかりのクッキーが入っていた。「お母さんと一緒に焼きました。」ココナッツの甘い香りと、ふわっとあったかい味がした。
たくさんの生徒が「おめでと~う」と口々に言ってくれる。そしてEくんは帰りがけ、「ほんとにおめでとう!」と手を振って帰って行った。「ありがとう!気をつけてね~。」と見送る私は、なんだかやっぱりすごーく特別な気持ちになった。その日が世界で一等賞になったみたいな。
みんなで食べたケーキは春の味がして、「すごくいい季節に生まれたんだなぁ」と思った。それよりなにより、「なんて素敵な生徒がいっぱいなんだろう」と、みんなの中にいられることを心から幸せだと思った。今までも誕生日を祝ってもらったことが何度かある。過去にも現在にも、そしてきっと未来にも、この学校にはあったかい心を持った生徒がいっぱい集まるんだろうなと思う。
そして日が変わり、誕生日。午前0時にメールが来た。クラスのNちゃんからのバースディメール。「32歳の一年がすばらしいものでありますように」
やっぱり一等賞の誕生日!
カテゴリー: スタッフエッセイ
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