猫背の危機
小田将弘
だいたい私は子どものころから猫背の少年で、まもなく38歳になるが、一貫して猫背を貫いてきた。 もちろんいろんな人から注意されてきたし、あんまりカッコよくないであろうことは自分でもよくわかっている。実際大学の頃、バイト先に服とか顔とかすごくカッコイイお兄さんが、強力な猫背で、それゆえに全体が台無しになっているのも見たことがある。
ただこれ、止められないわけです。
でも最近ちょっと限界かも、というのが今回のエッセイ。
まぁ、猫背はなんとなく楽な姿勢ではあるらしい。日本人のほとんどが猫背だと言っている人もいる。
背筋がピンとしててさっそうと歩いているような人の方が珍しいのかもしれない。
猫背の理由その1は、「楽だから」というところ。
しかしこれは非常に肩や背中、首、腰などに負担がかかるわけで、多くの人が肩こりや腰痛に悩まされているのも、この姿勢が原因というのがあるようです。頭は重いですからね。それを無理な姿勢で支えてると負担はかかるのでしょう。
そういう理屈は最近ようやく理解したが、しかし私が猫背の理由は他にもある。
理由その2「私がかっこいいと思う人が猫背」ということ。
私が好きな坂本龍一やグレン・グールドなんかはピアノを弾く時の姿勢がかなり猫背で、逆に姿勢の良いピアニストはあんまり好きじゃない。ビル・エヴァンスなんかもそうだったと思う。
ピアニストに限らず、猫背の人はなんとなく風来坊っぽくてかっこいいっていうのが私的にある。
ルパン三世の次元とかもそう。
そんなんで、止めたくないのはやまやまなのだが、最近体の方がもたなくなってきてしまったのである。
以前から私は肩こりがひどく、特にパソコンに一日中向かっている仕事をしている時はひどかったのだが、パソコンやゲーム、テレビで肩こりがひどくなる。
さらに最近は首を痛めてしまい、首から来る肩こりは強烈に痛い。また最近では今までに無いほど頭が重く痛い時があり、先週は腰も痛くて、それでも遊びにいったりはしていたのだが、正直つらかった。
いずれにしても、これらすべて、お医者さんにも言われましたが猫背のせい。
色々あるんですが、そろそろ猫背を止めようかどうしようかと迷っているという話でした。
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フリースクールの「新しい旅立ちを祝う集い」でも発表がありましたが、3月いっぱいで札幌自由が丘学園から去る事になりました。
たくさんの皆様にお世話になりました。ありがとうございました。
最後のエッセイ、実にくだらない話となりましたが、この2年半の間、私はいかに「先生らしくしないか」ということを考えてやってまいりました。
本件も、普通学校の先生なら最後は「為になる話」や「感動的な話」でも書くのではないかと想定し、そのアンチテーゼとしてくだらない話をあえて書かせて頂きました。
私は別に普通の学校の先生に反感を持っているわけではありません。
ただ、私は普通にしているように心がけただけです。
最後も私なりに敢えて普通にさせていただきました。
それでは。