道中小企業家同友会の大久保尚孝さん
亀貝 一義
大久保さんが先月19日に亡くなられた。今日大久保さんとの「お別れの会」が札幌市民ホール(大ホール)で行われ、わが学園から杉野さんと二人で参加した。
大久保尚孝さんは、北海道の中小企業家のいわばリーダーだった。同友会を実際上うみだした最大の功労者であったろう。「共育」をキーワードとした同友会の理念はまさに大久保さんとともにあったといってよい。
大久保さんは昭和4年に神奈川県で生まれ、昭和45年に第一銀行を退職して札幌で活動の主要な場をつくりだした。北海道中小企業家同友会の初代事務局長の役割であった。
大久保さんはほとんど最初から教育を重要な関心事にしていた。
正確ではないが、私が大久保さんに初めて会ったのは80年代初期だったのではないか、と思う。その際、銀行をやめて北海道での仕事をするようになった自分の役割を語ってくれた。「中小企業家のネットワークをつくるための仕事をすることになった」という意味のことを言っていたと記憶している。
「教育」を重要な課題として意識されていた証拠のひとつに、80年代の後半のある時期に、私も、同友会の何かの集まりで「講演」らしいことをさせてもらった。
私が、1990年に今の仕事(学校づくり)を始めると、何かの節目のイベントに必ず参加されてメッセージを寄せてくれた。また「パーティ」などでもスピーチや乾杯の音頭をとってもらったこともある。
90年にはじめた最初のことは、ささやかな学習塾(進学のためというよりはいわば学習に遅れをもつ子どもたちのための「補習塾」)を開くことだった。この報告と相談に伺って塾の名称を考えているのですが何かアイディアがあれば、というようなことを言ったら大久保さんがこの塾の名称を「いきいき教室」としたらいいのでは、と提案してくれた。
そしてしばらくこの「いきい教室」が北区で機能した。
5年ほど前に、高校を開くことになった旨報告にいったとき「ようやくスタートしますね。がんばってよ」との激励をいただいた。
大久保さんは家庭の事情で大学進学はしなかったが、大学の講師の仕事などもしていたようだから、ヘタな大卒よりも優れた知識人だった。
今日の「お別れ会」、知事からの弔文、主な銀行の頭取などの出席もあった。北海道の経済の面でも重要な功績をあげられた人であった。いろいろなことを思い出して涙を押さえることができなかった。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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