2013 年 7 月 9 日

フリースクールと親の会

高村さとみ

 6月中旬から7月にかけて、恵庭未来の会のフォーラムin恵庭→登校拒否・不登校問題 全国のつどい実行委員会in帯広→函館アカシヤ会20周年記念フォーラムin函館→フリースクール修学旅行in定山渓といろいろなところに出向く機会がありました。修学旅行についてはさておいて、他の3つはいずれも親の会に関するものです。親の会の方々はとてもエネルギッシュでこういったものに参加をするといつも元気をいただいて帰ってきます。せっかくなのでそれぞれの感想を。

「恵庭未来の会フォーラム」

 当日は何と80名もの参加があったそうです。このフォーラムのおもしろいところは恵庭未来の会と恵庭教育委員会が協力して開催したところです。私が知る限りでは公の機関(しかも教育委員会)と民間が協力してイベントを開催するケースは非常に珍しいことだと思います。さらに良かったのは未来の会の方々と教育委員会の方々がとても良い雰囲気でお話をされていることでした。形式としての共催ではなく、共に不登校問題に取り組んでいこうという姿勢が見え、手本としたい関係性だと感じました。札幌でもこのようなおもしろい企画を仕掛けていきたいです。

「登校拒否・不登校問題 全国のつどい」

 昨年度は「登校拒否・不登校を考える夏の全国大会」を定山渓で開催しましたが、今年も全国規模の大会が北海道帯広で開催されます。昨年度全国大会の実行委員を経験し、多くの方々に助けていただいたので今回は私が何かお手伝いをできればと考えています。まだ2回の実行委員会にしか参加していませんが(帯広での委員会なのでなかなか行けずにいます)、この大会や委員会のカラーとして「今正につらい思いをしている親を大切にする」ということがあげられると思います。そうした方の話をじっくり聞けるよう分科会の時間を長くとり、参加された方の気持ちに寄り添うことができるよう綿密に打ち合わせをしています。後にも記述しますが、こうした姿勢は手本としたいところです。

「函館アカシヤ会20周年記念フォーラム」

 この記念フォーラムに参加して驚いたのは函館の親の会の多さです。取りまとめている方がとても意欲的に活動しているということももちろんありますが、それだけ不登校や教育問題について悩みを抱えている保護者の方々がいることを実感しました。それに比べて子どもの居場所となる支援機関が少ないのも気になるところでした。札幌市だけではなく北海道全体の支援状況にも目を向けていかなければと思いました。また、次の日には函館アカシヤ会の例会にも参加しました。実はこうした親の会の例会に参加するのは初めての経験でした。普段「フリースクールを利用している保護者の話」は聞くことがありますが、不登校で現在進行形で悩んでいる・困っている保護者の話を聞く機会はなかなかないものです。こうした保護者の方々にフリースクールやほかの支援機関の情報がきちんと行き届くようこれからもがんばっていかなければという思いが一つ。そして、フリースクールが始まったそもそもの原点はこうした悩みを抱えている当事者・保護者に寄り添いたいというところだったと思うので、常にこうした声を心にとどめておくようにしなければいけないと思いました。

 先日、昨年度の全国大会で共に実行委員をした札幌近郊の親の会の方々、フリースクールスタッフと会う機会がありました。あれからもう一年経ったのかと月日の移り変わりの早さを感じています。しかし一年経っても変わらず楽しくおしゃべりをできる関係性がそこにはありました。フリースクールと親の会。フリースクールが今後どのような活動をしていこうとも常に原点は当事者と保護者の声にあるのだと改めて感じる機会となりました。