三和国民學校の「六年間」の「精勤證」
札幌自由が丘学園三和高校 校長 亀貝一義
私の手許に小学校卒業時にもらった一枚の「精勤證」がある。「北海道上川郡和寒村立三和小学校」が証明してくれた賞状だ。
このひと月間、何度も和寒町の三和高校の本部に行く機会があった。先日も真冬の様子もつ本校に行ったときしみじみ思った。当時の言葉でいえば約半里の道を今のように除雪も行われていない雪深い道を歩いて通学したものだ、と。半里というのは約2キロである。
雪も今よりはるかに多かったのではないだろうか。腰までうまりながら雪を「漕いで」通った。大雪(おおゆき)の日は地域(当時「部落」と言っていた)の人たちが交代で馬に圧雪用の小道具(7~80センチほどの大きさの丸くて厚い板の固まり。これをタマと言っていたように記憶しているが)を引っ張らせて、子どもたちが歩くことができるように道をつくってくれた。馬たちは深い雪の中をおなかまで埋まりながらハーハー息をしながら道をつけてくれた。
そんな冬の通学を体験しながら、私は小学校卒業まで「精勤」だった。他にも何人もいただろうけれど、小さな「誇り」である。
この時の賞状がどういうわけか「三和國民學校」の賞状である。昭和25年だからとっくに「小学校」であったのだが、古い賞状用の紙がまだ残っていたから使ったのかも知れないが、今調べてみるとヘンな話である。しかししっかり学校印があるから偽物ではない。
(精勤證だけでなく「努力賞」ももらっていたが)。
「皆勤」でなく精勤であったから6年間に数日は欠席したはずである。しかしそれにしてもほとんど休まず文字通り雨の日も風の日も雪の日も休まず通った。
中学校3年間も「精勤」だった。中学校までは片道約3キロだった。
高校時代はそういう賞はもらえなかった。ひと月以上「登校拒否」したことがあったからだ。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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