先をつなぐ物語
三和高校 渡辺莉卯
今年3月、まだ私が三和高校に来る前のこと、ある朗読のコンテストに出場する機会があり学生最後の思い出に何かがしたいという,またいつもの私の「なんとなく」で参加した。高校生以上であれば自由に参加できるこのコンテストでは、約60名もの参加者でのテープ審査を経て20名が選出され、その後本選へと駒を進める。私は高校時代放送局に所属していた経験のおかげもあり、なんとか本選に進み入選することができた。
さて、この時私が読んだ原稿の一つが、サン・テグジュペリ作の「星の王子さま」である。
読んだことはなくても、題名を聞いたことがある人も多いだろう。私がこの小説を初めて読んだのはまだ小学生の頃だった。その時の感想を一言でいうと、「静かなお話だな。」だったように思う。
王子さまはある時、幸福そして愛とは何かという答えを探しに、自分の星とずっと大切に育ててきたバラに別れを告げて旅に出る。色々な星での様々な個性的な人たちとの出会いを通して、生きること、愛し愛されることについて考えていく物語だ。
1943年に初版が発行されて以来、今でも200以上の国と地域で読まれ続けているこの物語は、児童書でありながら、子供の心を失った大人に向けての作者のメッセージが多く詰まっている作品だ。当たり前なこととはわかっているつもりでも、改めて言葉で言われると思わずドキッとしてしまうような台詞も多くある。生徒にも、ぜひ一度読んでほしい一冊だ。
「人生に解決方法なんてものはない。あるとしたら、前に進んでいくことだけだ。前に進めば、解決法はあとからついてくる。」
自分がやっていることが本当に正しいのか自信がなかったり、そもそも何が正しくて何が間違っているのかわからなかったり、もしかしたらはっきりとした答えが欲しいというわけでもないのかもしれない。毎日色々なことをぐるぐると考えて悩んだりすることが多くても、とにかく今できることを少しずつ頑張っていく。そうすればいつか先の自分につながってくるのだろうと、そんな風に感じられた。
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