救われる言葉
三和高校 渡辺莉卯
今年も早いもので12月に入った。
札幌では日によって雪が降ったり止んだりと忙しなくなってはきたが、窓から見る限りではまだ深く積もった様子はない。しかし、そろそろ本格的な冬の寒さに備えて準備をしていかなくてはいけないな、と思う今日このごろである。
進学や就職とこの時期は3年生にとっても忙しなく、本校でも進路が決まった生徒がちらほらと出てきた。数ヶ月後には皆それぞれ別の場所にいるのだと思うと、一緒にいられる残りの時間の少なさに驚いてしまう。
私は大学4年生のちょうどこの時期、卒論や就職などでいっぱいいっぱいで、先が見えない不安で押しつぶされそうになっていた。こういうことをしたいという憧れの気持ちを持っていても、それに伴う力がないのも自覚していて、それじゃあ今の自分には一体どこで何ができるのだろうと、自分の居場所を探しているような感覚だった。周りの友達がどんどん前に進んでいく中で、たった一人取り残されていくような気持ちだったのだと思う。
そんな時に、父の昔からの友人で、私も幼い頃からお世話になっている方が話してくれた内容が、今でもとても印象に残っている。
『自分の少し先を生きている先達の中に、仮に自分がしたい職業ではないとしても「あの人いいな」と感じる人がいたら、少しでも近くに行き、少しでも長い時間を一緒に過ごしてみるといいと思います。(中略)印象に残った大人たちは、自分の内側で内在化して、いつもその人と一緒に生きてゆくことになります。で、その人たちは、たとえばなにかめげてしまいそうなとき、自分をじっと見つめてくれます。眼差しが内在化されるというか。自分が「いい」と感じる大人との出会いを、大切にして下さい。』
そうか、と素直に思った。
周りを見れば親や先生や、これまで出会った様々な人達とのつながりがある。そのつながりを大切にしながら、色々な職業の人達の考え方や働き方、生き方を知って、自分のやれることや居場所をまた探していこうと思った。
今は12月上旬、まだ考える時間はたくさんある。
生徒にも今まで出会った人とのつながり、そしてこの先それぞれの道に進んだとしても、新しい場所で出会う人とのつながりはずっと大切にして欲しいなと思う。何かにいきづまった時は特に、色々な人の言葉を聞くことで、時にその言葉に救われることもあると強く感じるからである。
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