「終の棲家」と本の処分
亀貝 一義
私は娘たち一家と三世帯同居で暮らしている。
築30年ほど経った住宅の手直しが必要ということで業者と相談したら、「手直しのレベルでない。改築がふさわしい」という『助言』があったので、昨年暮れから、主として娘たちが検討を重ねて今年の4月から旧居からの移転、その解体、そして新築という流れを体験した。
5か月近い期間の「仮住まい」体験。
旧居から出る、新居に移る、この2回の「引っ越し」。この半年間は、学校の新学期とかさなって妙に忙しい(精神的にせわしいというか落ち着かないというか)期間だった。そして9月初めに新居に移転して、今はここでのくらし。「終の棲家」(ついのすみか)になる見通し。
古い家は建て増しとか改築とかを行っていたが、広かった。だから私は書物を初めいろいろな「財産」を増やしてきた。所帯をもって50余年、「よくこれほどの物をため込んだものだ!?」と嘆いたり感嘆したりした。
書物を納める書庫を半地下(8畳以上あったか)にとっていた。増水の時など、この影響を受けたことも今になっては懐かしいのだが、このことより書庫においた「大量の本」を処分する(1度ではない)ことになったときの「心のキズ」はもう1年以上たつが、まだ癒えない(?)。
古書専門店というのか、「ブックオ○」さんを呼び、本の処理をお願いした。「オカネを払える物はこれとあれぐらいです」と言われ千円札を4枚もらった。そして本をトラックにいっぱい積んで持って行った。
新居は旧居よりも小さいので書庫どころではなく、幅70センチの書棚を置くことがようやくというアンバイ。だから、段ボールにいれたままの書物が何個か空きスペースに重ねたまま。いつの日か陽の目を見ることができるのだろうか。
よく言われるが、最近は読書をしなくなった。PCでの調べ物や情報の仕入れなどは早いしカネもかからない。しかし私はやはり書店に行って買いたいなと思う本に会うと購入したくなるのだが、「置くスペースがない、将来これを処分しなければならない家族に負担がかかる」などという思いで買うことを躊躇し、図書館に行くことにする。市立図書館も北大の中央図書館も年配者が多い。似たような立場の人なのだろう、と納得しているが...。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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