2009 年 9 月 21 日

新政権に期待

                                                 亀貝 一義 

 鳩山新内閣がスタートし、今のところ多くの国民の期待にこたえる内容を展開しているのではないかと思う。私たちは、これまで政治的な取り組みをしてきたわけではない。しかしフリースクールの社会的な地位の向上をめぐっていろいろな政党と意見交換をしてきた。また道段階の各党派の代表がわざわざ本学園を訪れてくれたこともある。これまで来訪してくれた党派は、その順番からいえば自民の原田さん、公明の佐藤さん、共産の大橋さん、民主の小林さん、などである。
また国会議員では、民主党の山井、泉の両議員が来訪されてフリースクールへの文部行政のかかわりについて質問があった。学園の15周年記念行事や開校式に小川勝也議員が参加してくれたことは周知のとおりである。だからこれからも節度ももちながらも政治へのかかわりをもつことがあると考えている。その上で、新政権の主力である民主党の政策をみることにしたい。

 民主党のマニフェストに、直接に不登校とかフリースクールなどはない。「政策各論」の第2「子育て・教育」の中で次のように指摘している。

全ての人に質の高い教育を提供する
【政策目的】
○学校の教育環境を整備し、教員の質と数を充実させる。
【具体策】
○全ての人にとって適切かつ最善な教育が保障されるよう学校教育環境を整備し、教育格差を是正する。
○教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す。教員の養成課程は6年制(修士)とし、養成と研修の充実を図る。
○教員が子どもと向き合う時間を確保するため、教員を増員し、教育に集中できる環境をつくる。
○公立小中学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が運営することにより、保護者と学校と地域の信頼関係を深める。
○現在の教育委員会制度を抜本的に見直し、教育行政全体を厳格に監視する「教育監査委員会」を設置する。
○生活相談、進路相談を行うスクールカウンセラーを全小中学校に配置する。
○国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するためのコミュニケーション教育拠点を充実する。

 以上に要する費用は約600億円としている。
 上の項目について、現実に起こっている問題について有効なのかどうかという議論も各論的に行われるべきと思う。さらに一斉学力テストや教員の免許更新の問題なども改善の余地は充分にある。

 ただ現段階でいいいたいことは、「具体策」の冒頭に書かれている「全ての人にとって適切かつ最善な教育」の保障を、その狭間にいる子どもたちの教育を実際に担ってきた者との誠実な議論にもとづいて検討して欲しい、ということである。