大人も勉強
杉野 建史
日頃から生徒に「賢くなりなさい」と言っている。
三和高校には受験目前の3年生がいて、朝の会の前や帰りの会の後にスタッフスペースにある大きな机に向かい、今まで見たこともないような真剣な姿で勉強に取り組んでいる。わからないところをすぐに質問できるのでその場所を利用しているのだろう。自分の担当科目に関する質問は懇切丁寧に解説し肩を叩く。しかし、自分の苦手な科目に関して質問されると全く解説できない。開口一番「ごめん…」。
私はこれまで偏った勉強(学び)をしてきたと自分では思っていて、この仕事に携わってから日本語や社会科の面白さを感じるようになり、簡単な本を買って読んだりテレビの特番を見たりして勉強している。特に歴史に関しては自分の今までのいい加減な知識を恥ずかしく思うことが多い。中学校や高校時代の歴史の私の勉強方法は、教科書の「太字」を暗記するだけ。出来事の背景を全く理解しない、歴史を時系列で理解していない。だから年表はめちゃくちゃで、同時代の諸外国で何が起こっていたかは皆目検討がつかない有様だ。恥ずかしいことの極みは織田信長と豊臣秀吉、徳川家康が同時代を共有していたことを数年前に初めて知ったことだ。教科書をきちんと読まずに「太字」だけを追いかける勉強方法ではこの3人が同じ時間を共有していたことに気づかない。知識が点で、お互いに繋がらず線にならないから、関係性が全く見えない。何と情けない話だ。
色々な物事の「どこ」に面白さを感じ、興味を持つかは人それぞれだ。ポイントが違っていて良い。しかし、面白さを感じることができなかったり、興味を全く持つことができなかったりでは人生の損である。大人になっても面白さを感じ勉強できることに私はホッとしている。大人だって勉強が必要だし、日々勉強しているのだよ、生徒諸君。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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