2010 年 3 月 23 日

”新しい旅立ちを祝う集い”を終えて

高村 さとみ

 先日、新しい旅立ちを祝う集いが終了した。今は「やっと終わった」という気持ちと「少しさみしいかも」という気持ちが入り交ざって複雑な気分だ。「胸にぽっかりと穴が開いたような」という表現がしっくりくる。ただこの「ぽっかり」をもっと強く自覚するのは4月にフリースクールがスタートしてからだと思う。なぜなら、卒業生がいなくなった教室を見ることになるからだ。

 ただ、さみしい気持ちだけでなく次への期待の気持ちもある。旅立ちの集いの中で行ったステージ発表では、たくさんの練習を積み重ねてきたギター演奏を披露した。それは、音楽の時間だけでなく自主的に「練習しよう」と誘い合って、または一人が練習を始めるといつのまにかみんなも集まって、というようにしてできあがった演奏なのだ。今年の生徒たちは「仲間と一つのことを一生懸命やる」ことを楽しめるあたたかい子たちだった。また、ブラスアンサンブル部とダンス同好会のコラボ企画として発表した演奏&ダンスでは、飛び入り参加大歓迎というようにダンス同好会以外のメンバーも募集した。なるべく多くの人に参加してもらいたいと思ってはいたが、どれくらいの人が集まるかは未知数のまま本番に臨んだ。しかし、実際に本番が始まってみると予想以上に多くの生徒が一緒にダンスをしてくれた。2、3日前から「参加しようかな」と言ってくれた子もいれば、本番になって半ば強引に引っ張り込まれた子もいた。それでも「やってもいいかな」「みんなで楽しもうかな」という優しさをもって共に会場を盛り上げてくれた。

 そんなあたたかさや優しさをもった生徒たち。卒業生も在校生もこれからどのような成長を見せてくれるのかが本当に楽しみだ。4月からのフリースクールはおよそ半分の人数でのスタートとなる。私も在校生も少しさみしい思いをするだろうが、そこにまた新たな仲間がやってくるのだ。そしてさみしいなどと言っていられない騒がしい日常に戻っていく。卒業生も在校生もきっとこれからの新たな仲間を受け入れ、引っ張っていってくれるような存在になれるだろう。そう思わせてくれる一日だった。