相手がいるということ
田房 絢子
自分が何かをしたいと思ったとき、何かをし続けようと思ったとき、もし周りにそれを脅かすような相手がいたとしたら、どうだろう?それを気にせずに前に進み続けるか、それとものし上がろうと仕掛けるか。どちらにせよ、自分が進むための一歩は目の前にある。気にせずに前に進み続ける道を選んだ場合、継続する力や動機は内に潜んでいる。ここでいう相手は「自分」だ。だから外からの刺激や障害に比較的怖じ気づくことなく進んでいける。
一方のし上がろうと仕掛けた場合、これは明らかに他者対自分の問題であって、大きく動かされる要因はその他者にある。相手を蹴落とすことで順位を上げようとする。自分が上に、上に行こうとすればするほど、相手の存在は膨れあがってくる。
しかし、勝負事などは後者に当てはまることが多い。1位を獲るためには2位になりそうな相手を押さえ込まなくてはならない。でもここで登場するのは、いわゆる「スポーツマン精神」と言われるもので、勝負はきれいにさっぱりと、という前置きがあるから気持ちよく挑める。全力で挑んだ結果、もし負けたとしてもお互いに健闘を讃え合えるから、お互いの存在を認めあえる。
結局のところ、私はキラリと輝くスポーツマンでもないし、周りを全く気にしないでいられるほど大物でもない。状況によって、相手を全く気にしなかったり、相手を追い抜こうと密かにがんばったりする。
じゃあ、何を言いたいかというと、どんな考え方をしようとも手段やスタンスを誤りたくないということだ。のし上がるということは、相手を誹謗中傷することで為し得ることだと勘違いしてはならない。誹謗中傷による蹴落としや自己の正当化は、きっと心に余裕がないから。自分を高めるためには、自分が問題であって、相手の存在は良い刺激として考えなければならない。相手を認めることができて、良いところは良い意味で盗ませて頂くし、悪いところは良い意味で勉強とさせていただく。これでいいじゃないか。
たくさんの人、たくさんのもの、たくさんの形。それぞれに良さがある。誹謗中傷じゃなくて、みんな認めあえたら、いいのに。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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