2011 年 4 月 14 日

一ヶ月

                                                                                                                                                           安齊裕香            

 地震から一ヶ月。

あの地震の時は卒業式の準備で和寒の本校にいた。和寒では震度2程度だったのであまり心配せずいたが、和寒から札幌に戻っている間にテレビを見ていると信じられない光景。

先日、津波で行方不明だった私の伯父が、遺体で発見された。仙台港のすぐ近くに住んでいて、私も数年前に遊びに行っていた家。津波が見えてすぐに車で逃げたが、伯父だけは逃げなかった。車体が高かったから伯母といとこは助かったが、水が引くまで動けなかった。家は全壊、父を捜すのに自転車を使って1日中走り回っていたという。数週間後、遺体安置所で発見された。今となっては発見されただけでもよかったと思える。

義兄は自衛隊で被災地に行っている。自分達のライフラインすら整わないことに苦戦したという。連絡が取れるようになった今は過酷な話を耳にすることが増えた。新聞にも雑誌にも涙が出るような話が掲載されている。

何度もの余震に対して、「もういいじゃん、いい加減にしてよ」って思う。本気で思う。

便利になった今の日本や世界に何か訴えているようなこの出来事。

原点に戻ればいいのか。知恵を使えばいいのか。協力すればいいのか。

被害が少ない地、北海道にはもっともっと活かせることがあると思う。大きな町にできること、小さな町だからできること、地域にもたくさんの活かせることがある。選挙も終わったばかり。今後に期待と不安の両方が入り交じる。