2011 年 5 月 9 日

春の大家族スペシャル

新藤理

 フリースクールを卒業したばかりの高校一年生たちが、帰りがけにフリースクールの入り口に顔を出し、まだ中学生の友人たちと抱き合ってはしゃいでいる。高校生活はどう? と聞いても「う~ん…まだビミョー」なんて返事だけど、きっともうすぐクラスの仲間や先輩たちとの新しい絆が生まれはじめるのだろう。そういえば、入り口でのおしゃべりタイムも少しずつ短くなってきた気がする。新しいスタートの春。

 フリースクールの生徒たちもとても元気に、ほのぼのと日々を過ごしている。新しい仲間を迎えてのウェルカムパーティーのあと、みんなでサッカーをしに公園に出かけた。まだ片づかない洗い物は髙村さんと本間さんがやっておいてくれるというので、お言葉に甘えてしまった。ボールを持って行ってみてもちゃんとしたサッカーにはほど遠い。鬼ごっこや遊具あそびに汗を流して帰ってくると、洗い物をすませた髙村さんが「いやあ、何だか大家族のお母さんってこんな気分なんだなあ、っていうのを味わえました」という。「お父さんが子どもたちを外に連れてって、よーし、今のうちにお家のことやっちゃおう! って感じで…」
 トラブルも悩みも日々尽きないけど、何だか自分の家にいるみたいに落ち着くフリースクールの雰囲気。元気と安心を取り戻しつつある子どもたちが、今年はどんなドラマを見せてくれるのだろう。スタッフも負けじといろいろ仕掛けていくぞ! と決意する、新しいスタートの春。