2011 年 10 月 26 日

季節の変わり目

                                                                                            学園長 杉野 建史

10月下旬になり、朝晩の気温が一桁になってきた。各地から雪の便りが届き、銭函のスキー場は人工降雪機を使い11月11日のゲレンデオープンに向けて準備を進めている。 

ここ数年、異常気象が日本各地で起きているようで「季節外れのニュース」報道されることが多い。季節外れの高温や台風、桜の開花、根菜類(特に大根)の不作、秋鮭の不漁など、農作物や水産物に対する影響が大きく、第1次産業に携わる人々への被害が深刻である。

3月11日の東日本大震災、日本列島を直撃した台風による被害で今もなお多くの人が苦しい生活を強いられている。人間の営みを根底からひっくり返すような自然の猛威に私たちは驚かされ、たくさんのことを学んだ。これからも学び続けなければならない。

冬に向かうこの頃、札幌では熊出没が相次いでいる。幸いにも人も熊も傷ついていないが小中学校では集団登校や下校で職員が大忙しの状態だ。他県では熊が射殺されている。人間の一方的な都合で射殺することは考え直すべきでしょう。もともと動物の住処を破壊したのは人間であることを忘れてはならない。(野生動物と農作物への被害については農家に対する保障のあり方を考える必要がある。農家さんが困っていることを軽視しているわけではない。重要な問題ととらえている。)絶滅危惧種の保護に躍起になる一方で、人に害を加えたとされる動物は射殺ではいささか道理が通らない。生物の共存を真剣に考える必要がある。

季節の変わり目、いろいろなことが頭を巡る。大好きな夏に後ろ髪を引かれながら、年末に向かい又年度の折り返し地点として頭と心の変わり目にする。

日本も大きな「変わり目」を迎えようとしているTPPのこと、原発のこと、年金問題、教育問題、大阪都構想、北海道教育大学3学部化、などなど…。私たちのこれからに大きく関わる事が今まさに変わろうとしている。舵取りを他人に任せきりでいいわけがなく、自分たちレベルで学び考える事が一番大切。小さな舵ではあるが一人一人みんなが持っている事を思いだそう。