2024 年 5 月 31 日

これからの不登校支援のカタチ




NPO
法人フリースクール札幌自由が丘学園 理事 高村さとみ

 

新型コロナウイルスが5類感染症に移行してから一年が経ち、コロナ禍前と変わらない生活が送れるようになりました。本学園でもこれまで中止・縮小していた行事を再開し、外に出たりみんなでごはんを食べたりするような私たちらしい活動を積極的に行っています。

コロナ禍を経て不登校への対応や支援機関にはいろいろな変化がありました。一人一台端末での学習が加速度的に広まり、民間からもいくつものオンライン学習教材が出されています。不登校の子は(学校にもよりますが)オンラインで授業に参加できるようになりました。フリースクールや居場所も増えており、通信制高校を運営する学校法人が中学生を受け入れる「中等部」をつくったり、放課後等デイサービスや子ども食堂が子どもの居場所をつくったりしています。

様々な居場所や支援を受ける方法が増えて良いと思われる反面、「何が子どもに(自分に)合った情報なのかわからない。」という声も聞きます。「不登校 居場所」や「不登校 対応」と検索すると無限に情報が出てきます。もしも子どもに合う居場所を探したいと思っても、保護者は働きながら何か所も見学にまわらないといけません。また、中には「不登校を必ず治す」のような過言な謳い文句を使っていたり、高額な相談料や授業料をとったりするところもあります。

本学園が相談を受ける際に、自治体の支援機関や他のフリースクール、親の会の情報をお伝えすると「ほかの団体のことも聞けて助かりました。」と言ってもらえます。あふれる情報を公正な視点で整理して伝えられるような団体やツールが、これからの時代には求められているのかもしれません。札幌自由が丘学園であればそれができるのではないか、ということを最近考えています。

※写真は4月の公園遊びの様子

2023 年 10 月 23 日

東近江市長の発言を受けて

フリースクール札幌自由が丘学園
職員 高村さとみ


 先日、滋賀県の東近江市長が「不登校になる大半の責任は親に」、「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」といった発言をしたというニュースがありました。すでに多くの団体・個人の方が抗議の声をあげていますが、十数年不登校の子ども・保護者の声を聞いてきた者として、私からも改めて今回の発言に対し異議を唱えたいと思います。

 

 フリースクールで働き始めて十数年、不登校のことで悩んでいる子ども・保護者にたくさん出会ってきました。「学校に行けない自分はダメなやつ」と自分を責める子、友人に不登校であることを隠している子、自分の子育てが悪かったのかと悔やんでいる親、子が苦しむ姿を見て胸が痛いと涙する親。こうした大きな葛藤や辛さを抱えた子ども・保護者のことを何も理解しようとしない今回の発言には憤りを禁じ得ません。東近江市長のこうした価値観こそ、不登校の子ども・保護者を苦しめてきたといえます。

 

 東近江市長の言葉の端々からは、学校とは辛く、我慢をして行くもの、大人が強制してでも行くものという考えが表れています。私の考える教育とは、一人ひとりの子どもが人生を豊かに幸せに生きていくためのものです。子どもを苦しめる教育なんて、教育ではありません。これは日々、子どもたちのために豊かな実践をされている教職員の方々にとっても侮辱ととれる発言なのではないでしょうか。

 

 今回の東近江市長の発言に傷ついている子ども・保護者がいるなら、私は大きな声で伝えたいです。不登校は誰にでも起こりうること、子どものせいでも親の責任でもありません。嫌がる子どもを引きずって学校に連れて行く必要なんてありません。子どもに大切なのは今を安心して楽しく過ごすこと。その環境があれば、子どもは自ずと自分の人生を豊かに歩むための力を身につけて行きます。もしも今辛い思いをしていて相談できる人がいないという方は、どうぞ札幌自由が丘学園にご相談ください。同じことの繰り返しになりますが、不登校は子どものせいでも親の責任でもありません。これははっきりと、声を大にして言えることです。

2022 年 3 月 22 日

コミュニケーションとインターネット

フリースクール札幌自由が丘学園スタッフ 高村 さとみ


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歳になった息子。最近は自分でやりたい気持ちが出てきたようで、積み木を積もうとしては崩れて怒り、スプーンを口に入れようとしては入らなくて泣いたりしています。
 息子は生後3か月から保育園に行っています。0歳児クラス(0歳から2歳前までのクラス)の中で1番小さいです。保育園の様子を見る中で驚いたことがあって、それは赤ちゃんも他者とコミュニケーションをとることです。保育園に行き始めた当初は、0歳児クラスの子というのは同じ部屋で過ごしてはいるけれど、個々で好きなように遊んでいるんだろうなぁというイメージでした。ところが季節が進むにつれて、息子が保育園に行くと他の子がこちらに寄ってきて「だ!だ!」と出迎えてくれる、息子がニコッと笑うと目の前の子もニコッと笑いかける、そんな様子を目にするようになりました。0歳・1歳の子でも他者に関心があってコミュニケーションをとろうとするんだ、というのが2021年の一番の驚きでした。

 話は変わりますが、コロナが流行する前はよく他のフリースクール関係者や学校の先生たちと会議や勉強会を開いて会っていました。コロナ禍になってからはそうした機会が減り、開催したとしてもオンラインに。先日、久々に対面での教育についての勉強会があり、2年ぶりに知人たちと会いました。それがとても不思議な感覚で、しばらくオンラインでしか顔を合わせていなかったので、まるでTVに出ている人に直接会えたような感じがしたのです。窓の外を一緒に見ながら会話し、ちょっとした仕草や表情を見ることをうれしく思いつつ、オンライン慣れって怖いな…とも考えてしまいました。

 これからインターネットがどんなに進化しても、まだ私たちが知らないような科学技術が生まれたとしても、人間は人との直接のコミュニケーションというのを求めるのだろうと思うのです。コミュニケーション苦手!ネットの関係で充分!と思ったとしても、好きな相手とは会いたいでしょうし、全く人と会わないようにするというのは難しいですよね。人間関係に疲弊してしまうことはあっても、人と関わりたいというのは原始的なところに近い気持ちなのだろうな、ということを息子やこの勉強会を通して感じたのでした。

2021 年 7 月 15 日

授業料減額制度への思い(新藤理)

※7月14日(水)から8月25日(水)まで、授業料の減額を目的としたクラウドファンディングを行っています。
 下記アドレスからクラウドファンディングの趣旨をご覧いただけます。

 https://camp-fire.jp/projects/view/421065




授業料減額制度への思い


フリースクール札幌自由が丘学園
理事 新藤 理



授業料減額制度を始めるまでは、問い合わせの際に授業料の金額について伝えるとその時点で利用を諦める方が数多くいました。非常に大きな意味のある取り組みだと私たちは考えています。しかし、そんな減額制度も、かつてやむを得ず中止したことがありました。特定の財源がない中で授業料を減額したことで、ただでさえひっ迫していた学園の収入状況がますます苦しくなってしまったためです。


減額を受けていた各家庭にこの制度を中止せざるを得なくなったことを伝えると、なんとどの家庭も残らず

「せっかく子どもが居場所を見つけて元気になってくれているのだから、授業料が上がっても何とか頑張って、できるだけ学園には通わせ続けます」と言ってくださいました。

そして「だから、どうか学園をつぶさないでくださいね」と言ってくれた方も。

自分たちの力不足を痛感しつつ、やっぱりこのままではいけない、という思いで一杯でした。

クラウドファンディングで広く皆様に寄付を求める理由は、学園を利用できる生徒を増やすため、というだけではありません。経済的には苦しくても、子どもたちが喜びと手ごたえを感じて日々を送れるなら、どうにかしてその道をつなげたいという保護者の方々の声があるからこそです。現状の授業料設定は、そうした家庭に資するために私たちができるギリギリのラインです。みなさんのお気持ちを寄せていただくことで、子どもたちも保護者も、より安心してフリースクールでの生活を続けることができるようになります。

毎日笑ったり泣いたりしながらエネルギーを放ち、学園に初めて足を踏み入れた時とはまるで違う子どもたちの姿と、家庭の経済状況の厳しさという現実の間には、胸が苦しくなるほどのギャップがあります。

そのギャップを少しでも埋めるためのお力添えを、どうかぜひよろしくお願いします。

2021 年 4 月 2 日

たくさんのメッセージに感涙!

FS札幌自由が丘学園理事長 & 札自丘学園三和高校校長    亀貝 一義

 

今日は3月30日。私は「札自丘を辞する」旨学園だよりの「希望の樹」に記したのですが、これを見ましたということで今日も10人近い親や卒業生たちからのお便りと電話がありました。どのメッセージも「自丘に接することができて助けられました」という趣旨です。

 

私はこのお便りやお電話に接することができて、予想をはるかに超える皆さんからの気持ちに感涙をこらえる今です。学園だよりは26日(金)の発送というからこれを見てすぐお手紙やお電話を寄せてくれた人たちの気持ちに触れて「フリースクール札幌自由が丘学園をつくって本当によかった」と胸につまる思いを抱き続けています。

 

子どもたちが札幌自由が丘学園に通うことで、友だちやスタッフと接し、またみずからの成長の中で得たたくさんの感動で、生きる道やその方法、あるいは知恵などを少しずつ得ていったことを、私はあらためて知ることができ、私自身感無量です。

 

社会的にはフリースクールや不登校の子どもたちを支える高校などへの評価はまだまだ高くないのですが、実際にはその価値を理解してくれる方々が着実に増えてきていると実感しています。

電話をくれる親たちは必ず終わりに「元気に長生きしてください」と言ってくれます。「17年後にまたお便りします」という人もいましたが、7年間は多分ダイジョウブですよ、と笑いながら言って挨拶を終えました。卒寿(90歳)までは世の中のためになることをも視野にいれる道を歩かなければならないか、と自覚しています。

2021 年 1 月 14 日

世界の感染症

                                                 亀貝一義
 

第一次世界大戦のさなか(191819)、世界中に広がった感染症があった。いわゆる「スペイン風邪」と言われた。スペインから広がったからのようだが(はっきりしない)、その後世界中に広がり、死者は5千万から1億人というすさまじい拡大を見せた。

 

日本でも40万人近い死者数があったという。大戦の終結がこの症状と関係があったとも言われている。当時の世界の人口は18億人というから1億人近い死者数というのがいかにひどいものか想像を超える。日本でマスクがはやるきっかけになったのはこの風邪(インフルエンザという言い方の方が正しいようだが)のすさまじい流行によるという。

 

なお、第一次大戦の死者数は連合国側(イギリス、フランス、ロシアなど。日本もはいる)が約514万人、同盟国側(ドイツなど)が338万人だった。いかにこの「風邪」がスゴイ物だったかが分かるだろう。大戦の継続を不能にさせた大きな要因だった。

 

今まだ感染拡大途上の新型コロナウイルスは世界中で9000万人を超える感染者、193万人を超える死者を出している。これをいかに早く止めるか、世界の科学と協力の度合にかかっているだろう。

 

2020 年 11 月 9 日

産休中のつぶやき

高村さとみ

 

 

 11月から産休に入りました。お腹が圧迫される痛みはあるものの、それ以外の不調はなく幸い順調に過ごしています。

 最近に限らず、児童虐待や新生児遺棄のニュースをよく目にします。赤ちゃんや子どものことを考えると本当に痛ましくて、事件になる前に何とかできなかったのだろうかと考えてしまいます。と同時に「育てないなら産むな」「親に厳しい処罰を」といった、SNSの反応にも心が消耗してしまう自分がいます。長年子どもと関わる仕事をしてきて、そして、これから赤ちゃんを産もうとしている私ですが、1mmの疑いもなく「私は100%虐待しない」と言い切れる人がいるのだろうか(私も含めて)と思ってしまうのです。

 新生児遺棄でよく言われる「周りは気づかなかったのか」は、裏を返すと周りに気づく人や相談できる人がいない(少なくとも気づいても心配してくれる関係性にない)孤立状態を物語っています。また、病院にかかっている私からしても出産への不安は相当なものです。一人で自宅や公園で出産する人の恐怖とはいかばかりかと考えてしまいます。長い陣痛や出産の痛み、出産後もダメージを負う体に一人で対処するというのは何と恐ろしいことなのでしょうか。単に無責任だから、何も考えていないからでは済まない事情がそこには隠れているはずです。幸い私には生活を支えてくれる家族がいて、理解ある職場があり、出産・育児で利用できるサービスについて情報を探す力があります。でもこれらは何かの拍子に失くしてしまうものかもしれません。環境によっては得られなかったものかもしれません。私は痛ましいニュースを目にする度に、もし自分が孤立状態に置かれたときに、心が健康な状態で出産・育児に臨めるのだろうかと考えてしまうのです。

 昨年「Sapporo・チャイルド・ライツ」という団体(札幌自由が丘学園として加盟しています)の企画で、子どもの権利、とりわけ児童虐待に焦点をあててフォーラムを行いました。児童虐待事件を追っていた新聞記者の方に登壇していただいたのですが、その時に仰っていた「児童虐待は誰でも起こす可能性をもっている」という言葉がとても印象に残っています。では起こらない・起こさないためにはどうしたらよいのか。非常に難しい問題ですが、親バッシングではないことは確かです。上記の「Sapporo・チャイルド・ライツ」に関わる団体は、それぞれの団体の根幹が「子どもの権利」にあると考えています。札幌市子どもの権利条例や子どもの権利条約が、真に理解され守られている社会であれば、子どもは安心して生きること・育つことが保障されるはずです。今年の「Sapporo・チャイルド・ライツ」プロジェクトとして、札幌市内のコーチャンフォー、MARUZEN&ジュンク堂、三省堂書店、イオン藻岩店でブックカバーの配布を11月いっぱい行っています。また、1128()29()にはチカホで子どもの権利や加盟団体に関する展示もあります。子どもの安全・安心について自分にできることを考えたとき、こうした小さな活動を積み重ねることしか今の私は答えをもっていません。この活動が子どもにとっての幸せな未来につながる一助となることを願っています。

2020 年 6 月 24 日

お弁当の寄付をいただきました!

㈱日信様(代表取締役社長 松村貴洋 様)より、フリースクール・三和高校の生徒にお弁当の寄付をいただきました!


長い休校期間を過ごした子どもたちに元気になってもらいたい、ということでフリースクール・三和高校の生徒、職員分のお弁当を(各学年二日分も)提供していただきました。
今はまだコロナ対策として「前を向いて、おしゃべりしない」静かな昼食時間ですが、㈱日信様の心遣いに気持ちは明るくいただきました。
㈱日信様、どうもありがとうございました!

2020 年 5 月 26 日

日本に合っている4月入学

                 札幌自由が丘学園三和高等学校校長  亀貝一義

                 

 19日の本紙朝刊の記事「9月入学 検討加速」によると、新型コロナウイルスの感染拡大による休校の長期化を受け、入学や始業の時期をずらす「9月入学」検討の動きが加速しているという。秋入学が主流の欧米などに合わせることで、留学などの面で好都合になるということらしい。

 

 私は新学期はやはり4月がいいと思う。日本では明治19年(1886年)、会計年度が4月始まりになったことから、学校年度も次第に41日開始となった。花が咲き新しい季節とともに子どもたちも新しい世界へと旅立つのである。「4月入学」は日本人の暮らしと季節感にごく自然に溶け込んでいる。

 9月入学制としたら、日本では「年」、「会計年度」、「学校年度」の始まりが、異なることになる。「年度」は各国で独自の制度をとっているというのだから、日本で100年以上も続いてきた4月入学制を、あえて他の国に合わせなければならない理由などない。

                                
2020年5月26日の北海道新聞の「読者の声」に載った文章です。

2020 年 5 月 21 日

マスク・コーヒーの寄付をいただきました。

株式会社ゼタセグメント様(代表取締役社長 赤倉広樹 様)よりマスクの寄付をいただきました。
会社で備蓄していたマスクを、子どもたちのためにと送ってくださったそうです。

また、職員あてにコーヒーも同梱してくださいました。
緊張や不安が続く日々の中、ほっと一息できるお心遣いにとてもあたたかな気持ちになりました。

株式会社ゼタセグメントの皆様、どうもありがとうございました!