副担任
三和高校 副担任 田房絢子
修学旅行が終わった。今回も副担任として同行。担任とは違った目線から生徒を見ているので、毎回のことだけど担任とはちょっと違った味わいがある修学旅行となった。初めて修学旅行に同行したのは2004年。高等部で言うと2期生だった。担任外で同行したので、陣頭指揮をとったり、ミーティングをしたりというのを後ろから見ていた。自由が丘の修学旅行とはどういったものかを学ぶ初めての機会でもあった。
その翌年、初めて担任としての修学旅行。当時の流れでは生徒たちと行き先を決めていたので、その年は関西になった。今でもあのクラスは沖縄・与論島ではなく、関西で正解だったねと笑い話になる。どこか地味な3期生。若さはち切れない3期生。全員で八ッ橋作り体験をしたのを思い出す。作務衣みたいな作業着に白い作業帽子。お互いにその姿を見て笑い合っていた。清水寺に行っておみくじをひいたら凶が出たから引き直した。いろいろなお寺を見て回った。奈良では鹿の大群に囲まれて服を噛まれて大笑いした。
そんな愉快なメンバーが自主研修の時には無事で帰ってくるか心配で心配でいてもたってもいられなかった。行き先はわかってはいるけど、なにかあったらどうしよう。変な人たちに絡まれないだろうか。道に迷ったらどうしよう…。今思えば「そんなこと」で済ませられることが、当時の私にとっては「大事(おおごと)」だった。「そんなに心配しなくても大丈夫」と何度も何度も現副校長になだめられたのを覚えている。そしてそんな心配をよそに、無事に帰還し武勇伝を聞かせてくれる彼らの姿を逞しく思ったのをはっきりと覚えている。かわいい子には旅をさせろというのはこういうことか…。
初めての担任として多くを教えられたクラスだった。そんな彼らももう20代半ばになろうとしている。社会に飛び出してがんばっている子も、紆余曲折して踏ん張ろうとしている子も、パパやママになって子どもを連れて遊びに来てくれる子もいる。担任として引率した初めての修学旅行。彼らの心にはどんな風に残っているだろうか。
修学旅行。高校生活において一番・二番を争うくらいのビックイベントである。それを一歩後ろから見守る副担任であることを嬉しくも思うし、ちょっと少し寂しくも思う。そしてちょっと寂しいから、ここぞとばかりにあらゆる所で生徒と戯れようと目論んでいる「副担任」の私である。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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