趣味への愛情
田房 絢子
昨日、久しぶりに知人Mさんに会った。Mさんは貴重なレコードのコレクションを知人宅へ届けるそうで、私は同行させてもらった。その知人Yさんとも何度か顔を合わせたことがあったので、「あら、お久しぶり~」ということで、ちょっとだけお宅にあがらせてもらうことになった。荷物を車庫から運び入れて、そのまま中へ。そこでちょっとした衝撃を受けた。なんとそこは、防音設備がっちりのオーディオルーム!白いグランドピアノまで置いてある。しかもレコードプレイヤー三台、巨大なスピーカーから真空管アンプなどなど。壁一面+αのレコードのコレクションも。Yさんはジャズ愛好家でレコード蒐集家だそう。その家もオーディオルームを基本に設計されたということで、なんとも驚きの連続だった。希少価値のあるレコードを見せて頂いたり、実際にレコードを流して頂いたりした。スピーカーから流れるレコードの音色は、とても柔らかく暖かかった。アナログとデジタルの違いは本当に大きい。どこか懐かしい音色を、自宅では味わえない贅沢なひとときを、心から楽しませて頂いた。
Yさんのお仕事が忙しいため、そのオーディオルームでゆっくりと時間を過ごすことは、この十年ほどなかったそうだ。しかし最近は定年間際で、比較的時間に余裕ができてきたため、趣味の時間を楽しんでいるとのこと。なんとも贅沢で優雅な空間をとてもうらやましく思った。というよりは、「愛してやまない」というものがあって、「心からゆっくりと楽しめる時間もしくは空間」を持っているということに、うらやましさを感じたのだろう。
趣味はあってもそれを追求していくということは、時間と時には労力を必要とする。長年じっくりと心を込めて愛してきたものであるからこそ、それに費やす時間や空気は、あの音色のように柔らかく暖かいものになっていくのだろう。とてもうらやましい。私もそんな風に年をとっていきたいと思う一日だった。
カテゴリー: スタッフエッセイ
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