2012 年 6 月 27 日

かわいいベイビー

フリースクールスタッフ 新藤理

 ちょっとした用事があって、実家から幼少期のアルバムを借りてきた。久々に見る、生まれたばかりの自分。3歳ごろの自分。  …かわいい。びっくりした。気持ち悪いことを言っているのは承知だが、でも本当にかわいい。自分びいきだけではない。これはきっと万人が認めるかわいさだと思う。  そこからページを先へ進める。小学校入学、そして10歳ごろの自分まで…だが、今度は逆の意味でびっくりする。かわい…くない! なんだか、どんな場所でどんなことをしていても、まるで楽しそうに見えないのだ。かといって、何かを訴えるような思いつめた感じがあるわけでもない。ただただどんよりとした表情でこちらを見ている少年。小学3年生ごろから急激に太っていったことの影響もあるだろうけど、それだけではないはずだ。太っていたってかわいい子どもはたくさんいる。そういえば、その頃からだんだん学校での生活が大変になっていったことを思い出した。

 さて、今。自由が丘で多くの子どもたちに接していると、その表情の多彩さに驚く。楽しく過ごしているときのみんなの顔には、同じ部屋にいるだけでこちらも元気になってしまうくらいのまぶしさがある。でも、彼らの日々はそれだけではない。みんなよく落ち込むし、時に泣く。中学生でも高校生でも、泣くときは盛大に泣く。共通しているのは、自分の中身をどんどん外に出していることだ。だから周りにもお互いの考えていることがすぐにわかる。それが元でトラブルになることもあるけど、それぞれ何を考えているのかわからない中で過ごすよりはだいぶいいんじゃないだろうか。
 くもった表情のシンドウオサムが生きることへの喜びを本格的に取り戻したのは、高校生になってからだった。自由が丘に集まるみんなには、できればそこまで時間を空けずとも、かわいい笑顔でいられる日々を迎えてほしい。       

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

ということで、特別大公開・「ちいさなおさむちゃん」の写真はこちら ↓