2016 年 1 月 5 日

お兄さん、トレンディだね

高村さとみ

 今、北海道新聞に「オトナ以上大人未満」という記事が連載されています。先日の記事はLINEの利用に関するもの。LINEのメッセージにすぐ反応しないと仲間外れにされそうで怖い、なので夜眠るまで携帯が手放せないといった高校生の話が載っていました。先生方がSNSトラブルの対応に追われている、というのもよく聞く話です。

 私はLINEが苦手です。

 自分に向けたメッセージが次々と届く、しかもすばやい反応を求められる、というところが苦手です。TwitterやFacebookは人の反応を求めない流しっぱなしのもの、メールは読んだことがわかる機能(既読通知機能)がないのでLINEほどに即時性を感じません。LINEで知らない間にメッセージが数十件たまっている...などとなると「うっ...」と引いてしまいます。そんなわけで最近はLINEを見ないように見ないように...と避けてしまいがちです。

 私はお笑いが好きです。

 えっ?さっきの話と全然関係ないじゃないかって?安心してください、つなげますよ。

 年末年始はほとんど家で過ごしていたのですが、本当にたくさんのお笑い番組がやっていました。おそらくここ数年の傾向だと思うのですが、たくさんの芸人さんが短い時間でどんどんネタを披露していく、という番組が多かったです。私はこのことに先ほどのLINEに近い「うっ...」とした感じを持ってしまうのです。

 このお笑い番組の形式はLINEでこちらが返事をする間もなくどんどんメッセージが届く様に似ていると感じます。おそらく、時間に対する情報量が私の許容を超えているのです。情報量/時間で算出した値が大きいイメージ。

 とはいえ家族もお笑いが好きなので、結局お笑い番組が居間ではかかっているのですが、笑って見ながらも何となく「情報化社会」「大量消費社会」という言葉が頭の片隅をちらついていました。あとはいわゆる一発屋といわれるような「最近全然見ないなぁ」という芸人さんを思い出したりすると、芸人さん自体を大量消費しているような妙な罪悪感も感じます。まぁ実際は芸人さんからしたら、テレビにでるチャンスが多くなってうれしいのかもしれないですけどね。

 時間に対する情報量の許容範囲、は人それぞれでしょうが、私はこのように「情報化」「大量消費」への慣れが中高生でよく言われるSNSトラブルにつながっているような気がしてなりません。相手に即時反応を求める・熟考させない、一面的な情報(文)だけで相手を判断する。これでトラブルが起きないわけありません。

 こうしたことを意識して、というわけではありませんが今の私の関心は「時間をゆっくり使うこと」にあるようです。野菜作りに燻製に着物、最近は手挽きミルでコーヒー豆を挽き、友人宅でコーヒー豆の焙煎も体験させてもらいました。時間や手間のかかることに魅かれるのは「情報化社会」「大量消費社会」への反抗ともいえるのかもしれません。

 2016年、本当の豊かさを追い求めて。というとかっこつけすぎですが、自分も相手も急かさず、忙しなくならぬよう、ゆるゆると過ごしていこうと思います。手間ひまが私のトレンディ。

 あけましておめでとうございます。