2016 年 6 月 20 日

18歳からの選挙権

札幌自由が丘学園三和高等学校 校長 亀貝一義

7月10日(日)に参議院の選挙が行われる。6月22日が「公示」の日(この日から堂々と選挙戦が始まる)。
参議院は定数が242人(衆議院は475人)でこの半数を3年ごとに選挙で選ぶ。(96人を全国比例で選び、146人が選挙区で選ぶ。ちなみに北海道選挙区は今回は3人を選出する)。

重要なことは、この選挙から日本の「有権者」は満18歳に引き下げられることだ(これまでは満20歳)。

選挙権は、これ自体重要な民主主義の秤(はかり。バロメーター)と言える。日本の国民が初めて国政の上で選挙権を行使したのは、明治23(1890)年7月だったが、この時の選挙権は、国税15円以上納める満25歳以上の男子に限られていた。この時の数は45万人、総人口のたった1.1%だった。

現在の選挙権(満20歳以上の男女で財産に関係なく)になったのは、第二次大戦後の昭和21(1946)の第22回総選挙のときからだった。だからたかだか70年間の歴史でしかない。

女性が有権者になったのは、多くは20世紀になってから。世界のほとんどで女性の参政権(選挙する権利と立候補する権利)が確立するのは第二次大戦後。だから民主主義が普及した歴史はまだ70年程度としか言えないのかも知れない(今も女性が参政権をもっていない国があるという。さてどこでしょう。自分で調べて下さい)。

ウチの高校(全日コース)で7月の参院選挙で投票できる18歳以上の生徒は数名(一桁)しかいないようだが、棄権しないで貴重な参政権を行使してほしい。投票に投票所に行くのは面倒だ、という若者が少なくないというが、この面倒とされる権利も「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」(日本国憲法第97条)。決して棄権しないで欲しい。そのためにも政治に直接参加したいと名乗りあげている各立候補者の政見をよく見て自分の頭で考えて欲しいと思う。