2018 年 1 月 29 日

自由が丘を心の縁(よすが)として

亀貝 一義

思えばA君が札幌自由が丘学園で過ごしていたときから20年以上たっているのです。A君は中学校時代つらい体験をしたから高校へは行かないで、これに代わる学校としてフリースクール札幌自由が丘学園を選びました。
フリースクールで3年間、私たちといっしょにA君は勉強し体育館でいきいきと体を動かし、また当時行ったJRを利用しての校外活動(JRテーリング)なども積極的に行いました。

まだ行ったことのない町までいくのだから無事帰ってくれるかな、などというスタッフの心配もなんのその実に楽しそうに、JRを乗り継いで帰ってきました。

A君は当時のクラスメートとともに学園祭などでも活発に行動し演劇などでも主役を演じるなど「自由が丘は自分のためにある」と言っているように元気に活動しました。

札幌自由が丘学園を卒業して、何年もたっているのに学園祭その他のイベントのときなど訪れてくれます。

私はこのA君が来てくれるたびに、札幌自由が丘学園がこれほど大きな心の縁(よすが)になっていることに逆に感動させられます。

ご両親はA君が今後も立派に生きていけるようにと果樹園をつくりました。今度は自分のブドウ園で収穫できたブドウを持ってきてくれました。そして先日は収穫でえた収入の一部を学園に寄付金として持ってきてくれたのです。

学校とはたくさんの卒業生のためにというより「一人ひとりの卒業生にとってここは自分のための学校なのだ」と感じ取ってくれることに心が打たれるのです。

先日A君が来てくれたことで改めて思うのでした。