2012 年 2 月 14 日

心の引っかかり

                                                                          田房絢子

心に引っかかっている出来事というのは誰にでもあると思う。その引っかかりが取れるのは時間の問題だと自分を慰めたり、いつか小さくなっていくだろうと自分を励ましたりする。でもどんなに時間が経ってもミクロの世界で残っているような、触ってもわからないけど見つけると気になってしまうアザのような、なんだか不思議な引っかかりというのが心にはある。そんな引っかかりが何を未来へ導いてくれるのか、はたまた何を過去に残したままなのか。きっかけであるのか、後悔でしかないのか。

この引っかかりは失敗であったり、苦い経験であったり、成功であったり、心躍るような体験であったり、人間として「学ぶ」過程での産物なのかなと思う。だからそこからまたきっかけという産物にしない限りは何も進まないのだ。悔いは残すのではなく改めたい。後悔はしないで反省しよう。どっちにしたって経験からしか生まれないのだ。失敗したって成功したって進むしかないんだから。人間は生きている。生きているから、学ぶんだ。学ぶんだから成功するし失敗するんだ。そしてまた学ぶんだ。そのサイクルで人間は生き続ける。生きていること自体に意味を探すのではなく、その生き方にたくさんの引っかかりやきっかけを見つけ出そう。今日も明日も。