2013 年 4 月 26 日

弱点は-・・・

田房絢子

 私は小さい頃、何もないところでバッタンバッタン転んだり、フラフラヨチヨチ歩いたりすることが多かったそうだ。ちゃんと歩けるようになるまで、他の子どもよりかなり遅かったそう。すごくおっきな病院でほんのちっちゃな私が精密検査をしなければならないことに辛い思いをしたと後に聞いた。たしかに小学校や中学校、さらには高校でもすぐに躓いて捻挫や骨折をすることが多かった。大人になった今でも、あまり足回りには自信がない・・・。

 これは私の弱点が引き起こした二次障害らしい。私の弱点は左耳。おそらく生まれた頃から三半規管がうまく機能していなかったために起こったことだと今では推測できる。幸いにも右耳は元気なので日常生活には支障はない。多少の不便さは残るけど、なんせ物心ついた頃からなのでこれが当たり前だと思っているし、ふつうに両耳健康だったらどれだけおっきく聞こえるんだ?と未知なる世界に不思議な気持ちになる。

 というわけで、長年にわたり私の右耳はとてもよく働いてくれている。左耳を補うかのように視力は抜群に良い。遠くも良く見えるというのが遠視というカテゴリーに分類されることを知り、自分もそのひとりだったという発見は、まぁご愛敬程度に思っている。鼻も結構きくので、勘違いでなければ他の人には感じない匂いなんかにも反応することがある。ともあれ、私は弱点を抱えながらも、その分普通以上に仕事をしてくれている仲間たちに支えられながら、今日も元気に過ごしている。

 人間の身体や心は信じられないくらいの能力を秘めている。知らないことだらけが当たり前なんだから、どんな奇跡が起こるかもわからない。弱点だって、もしかしたらもしかする。補ってくれるところが絶対にあるという事実と信念と希望、そして「だって人間だもの」って思うくらいの余裕がきっと楽にしてくれるはずだ・・・よ?