2010 年 2 月 15 日

高校時代と10年後

 安齊裕香 (旧姓:上田)

自分が高校生だった卒業間近のこの時期をとても懐かしく思う。
大学が決まって、好きなことに好きなだけやっていた気がする。そして3年間を振り返る毎日だった。卒業したくない寂しさと、一人暮らしの大学生活への期待感、友だちと離れたくない思い、未来への楽しみ抱えながら毎日友だちと一緒にいた。
3年間何が楽しかったか。結局なんでも楽しかった。学校に行くのも放課後友だちと遊ぶのも自転車に乗っているのも河川敷で焼肉するのも、全て楽しかった。進路で悩んで苦しかったこともあったのだろうが、その時の心境まではあまり思い出せない。今はもう楽しかったことや嬉しかったことの印象しか強く残っていない。自分がめでたい奴に思える。
 今ここで3年生を見ていると、たまに自分と重ね合わせてしまうこともある。進路への不安や、将来への希望、卒業への淋しさ、全てを受け入れなければいけない現実を抱えている。実に高校生らしく見える。
 数年後には高校時代を懐かしく思う時がくるだろう。これからみんながどんな未来をつくっていくかがとても楽しみだ。
 そして私は高校卒業から10年経った今、高校時代からの仲間と結婚した。

 

*「安齊(あんざい)」になりました。
 結婚とは不思議な気持ちにさせられます。幸せや感謝、嬉しさはいっぱいですが、名字が変わるだけでとても不思議な気分になっています。戸籍から自分の名前が消えることがとても寂しくて、妙な心境にもなりました。紙切れ一枚出すだけで夫婦になれてしまうことにも不思議に感じます。
 なかなか味わえないこんな不思議な気持ちを、もうしばらく味わいたいと思います。