2010 年 12 月 28 日

のらりくらり・・・

田房絢子

 今年一年を振り返ってみると、「ものすごーく早かった」。でも、この台詞は毎年言っている気がする。いつからこんなに時間が経つのが早くなったのだろう。よく「20歳過ぎるとあっという間」、なんていうけど、毎年そのスピードは加速している。

 でも、この台詞はよく生徒の口からも聞かれるようになった。今までは3年生がよく言っていたけど、1年生までもが同じ事を言う。「今年早かった~」「もう2年生になるんだ!(驚)」などなど。忙しない世の中に生きているせいなのか、はたまた彼らの生活が充実しているからなのか・・・。

 ただ確かに、世の中にあふれる情報量がハンパなく、それらが過ぎ去っていくスピードもまたエラい勢いだ。これが時間の経つのを早めている気がする。時間の感覚をのらりくらりとさせるのも大切な事だと思う。たとえばお正月。私が小さい頃にはスーパーなんて三が日は営業しなかった。だから大晦日までにはとんでもない量の食材を買い込んで、のんびりとまったりと特別な3日間を過ごした。外に出ても街全体がゆったりと、まるで時間が止まってしまったかのような感覚になった。だから、お正月は特別な、大切な時間だった。今ではたくさんのお店が元日から営業しているし、初売り!セール!!とか言って街中に人が繰り出していく。便利すぎる。始まりが慌ただしすぎて、節目がなくなっている気がする。

 私は、真っ白な雪いっぱいにつつまれた、ひっそりと静かな元日の朝が好きだった。暖かい家で家族一緒に過ごして、遊びには行きたい気もするけど、適当に不便な三が日。一年の始まりの特別なお正月。

 さぁ、来年はどんな一年になるかなぁ。まずは、適当に不便なお正月を堪能することにしよう。