2011 年 6 月 15 日

21世紀の新エネルギー

                                                                            YOUスペーススタッフ 鶴間 明 

 この4月から新しい職場となった札幌自由が丘学園と江別市にある私の自宅との距離は約18kmほどとなります。

 JRで通勤すると駅までの徒歩の時間も含めて50分ほどかかりますが、天気の良い日はできるかぎり自転 車で通勤するようにしています。

 ぎゅうぎゅうづめの満員電車に姿勢を崩さずにじっとして乗っているのはなかかしんどいですが、豊平川の河川敷を風を切って走ることから一日を始められるのは何とも爽快で、やめられません。

 最近は気温も上がってきたので、体が汗ばんでくると河川敷の公園に自転車を止めてウィンドウブレーカーを脱ぐことが多いです。

 イライラしながら忙しく走り回っていく自動車の音もあれば、ゆっくりと流れていく川や、風にそよぐ葉のすれる音も聞こえてきます。

 携帯用のポットに入れておいた熱々の紅茶を一口飲んでふと空を見ると、吸い込まれるようです。

 電車に乗っていると、こんなあるはずのものを見ることも珍しくなります。

 腕時計を見るとこのまま出勤すると少し早いと思い、時々5分ほど休憩を入れます。

 考えてみると地球上で忙しくしているのは人間だけ。

 人間以外の自然はゆっくり流れていくように見えます。

 人間も本来は自然の一部なのだから、みんなが一斉に自然に応じたペースで生きていけばいいのにと思ったりします。

 自分の脚で移動できる範囲で生活し、自分の育てた作物を食べ、自分の仕留めた獣をむさぼり、自分の編んだ服を着て、自分の建てた家に住めたら、辛いでしょうが楽しい人生になるのではないかと思います。

 しかし、現実は競争社会。

 しかも現代は地域や日本だけではなく、世界を相手にした過酷な競争社会です。

 夢見る原始人的生活とはほど遠く、自分でできることとしたら、自転車に乗って通勤したり、物置を作ったりする程度です。

 短い休憩が終わり、また自転車の一漕ぎ一漕ぎが始まります。

 うれしいことに、休憩を入れても電車と同じく50分で職場に到着してくれます。

 人間の脚も鍛えると0.3馬力ほどになるようで、機械に比べると出力はたいしたことはないですが、重いギアでもスタートできるなかなか粘りのある優秀なエンジンです。

 化石燃料や原子力に頼った乗り物を利用するのは現代社会ではやむを得ませんが、燃料切れの心配がない画期的な乗り物「自転車」は、私の夢見る自力生活を日々の暮らしの中でちょっとだけ実現させてくれています。

 21世紀の新エネルギーは水素でも核融合でも太陽でも風力でもなく「腹の油」と思い、温暖化防止のため、化石燃料節約のため、自分自身の健康のため、自転車地球防衛軍をこれからも続けて行きたいと決意を新たにし、慣れないパンチカードを押しつつ、今日も楽しい一日を始めるのでございました。