2011 年 3 月 15 日

旅立ちの日

                                                                          田房絢子 

  先日、担任をしていたクラスの卒業式があった。この日をどのくらい待ちわびていただろう。でも、いざその日を迎えてみるとなんだか不思議な感じがした。それは今もまだ続いている。

 私にとっては3期目のクラス。これまでで一番、打っても響かないクラスだった。個人個人を見れば元気だけど、クラスになった途端、反応が返ってこない。なんだろう・・・いったい何なんだ!なんでも人ごとだと思うなよ!そんな説教をしたこともあった。そんなヤツらが変わってきたのは3年生。これぞ3年生マジック。それぞれの心に「焦り」とか「自立」とかいう生々しい現実が突きつけられてきてからだと思う。

 そんなクラスが最後にやってくれた。なんだか人ごとなクラスが、最後にみんなを楽しませようと、担任を務めた2人にプレゼントをと、卒業式でのパーティーでパロディ + 合唱を披露。担任には内緒で動いていたので、どんなことをやるかと思ったら・・・まあまあ3年生らしい(笑)。楽しませてもらって、心をあたたかくしてもらって、とても幸せな気持ちになった。

   どんなことをするにしても、彼らにとっては時間が必要だったのだろう。私がせっかち過ぎたんだなぁと反省をしている。でも、旅立つことができたのだから・・・うん、結果オーライ。不安がありながらも、自分の将来をしっかり見つめて、納得のいく道筋を決めることができたのだから。

私の心にぽっかりと空いた風穴は、最後に見せてくれた彼らの笑顔でなんとか埋めていけそうだ。